ITmedia NEWS > 科学・テクノロジー >

「はやぶさ2」12月に地球スイングバイ 望遠鏡で観測できるかも?

» 2015年10月15日 17時58分 公開
[ITmedia]

 小惑星探査機「はやぶさ2」が打ち上げからちょうど1年の12月3日、地球に近づく「スイングバイ」を行う。接近時には望遠鏡なら観測できる可能性があり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「関心のある方は観測に挑戦してみて」と呼び掛けている。

photo はやぶさ2=JAXA提供

 はやぶさ2は昨年12月3日に打ち上げられ、地球から約3億キロ離れた小惑星「Ryugu」(1999 JU3)に2018年の到着を目指している。

 地球スイングバイは、地球の引力を利用して探査機の軌道を制御するのが目的。今回のスイングバイで、はやぶさ2の速度は秒速30.3キロから秒速31.9キロに増速し、軌道は小惑星を目指すものに変わる。

photo 地球スイングバイのイメージ=JAXAサイトより
photo 地球接近時のはやぶさ2の直下点(はやぶさ2と地球中心を結ぶ線が地表と交わる点)の軌跡

 地球に最接近するのは午後7時7分ごろ(日本標準時)で、太平洋上空の高さ約3100キロにまで近づく。地球に対する速度は秒速10.3キロ。

 日本では、12月3日の日没後から午後7時前にかけてはやぶさ2を観測できるチャンスがある。緯度が高い場所ほど観測条件はいいという。

 ただし非常に暗い可能性があり、大きめの望遠鏡でないと観測できないかもしれないという。2002年に火星探査機「のぞみ」による地球スイングバイを観測した際、明るさは15〜16等だった。

 JAXAはスイングバイ前後のはやぶさ2の軌道データを公式サイトで公開している。各種アプリケーションやコンテンツなどに使ってほしいとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.