東芝は10月30日、会議中の発言をリアルタイムに日英/日中間で翻訳し、字幕表示する会議支援システムを発表した。事前に使用する資料を登録することで、専門用語や社内用語をあらかじめ学習し、精度を高める。同社内で運用実験を行い、来年の実用化を目指す。
会議中の英語、中国語、日本語の音声を認識し、リアルタイムにPC/タブレットに翻訳後の字幕を表示する。話し言葉を適度な長さの文章に変換する「整文技術」、事前に会議資料を読み込ませ、機械的に直訳してはいけない専門用語や社内用語を自動的に抽出する「語い獲得技術」を開発し、翻訳精度を高めた。
「えーと」「ちょっと」など訳す必要のない発話など話し言葉特有の表現を把握する「規則ベース」の手法と、さまざまな表現を事例から学習する「統計ベース」の手法を組み合わせたハイブリッド機械翻訳方式を採用し、話者ごとの話し方の違いにも対応する。
同技術を取り入れた遠隔会議、対面会議、プレゼンテーションを支援する通訳システムも開発。日本語を中国語に通訳した実験結果によると、日本語検定2級以上の中国人被験者は会議の内容理解度が約60%から約80%に、2級未満の被験者は約30%から約60%に改善したという。
同システムは「東芝ICTソリューションフェア2015」(11月5〜6日、東京・台場)に出展する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR