「2015 国際ロボット展」(12月2〜5日、東京ビッグサイト)で、筋力をサポートする補助スーツを東京理科大学発のベンチャー「イノフィス」やパナソニック傘下のアクティブリンク、三菱重工業などが出展し、来場者の注目を集めている。
イノフィスは、人工筋肉を利用した動作補助ウェア「マッスルスーツ」を出展。圧縮空気を出し入れし、ゴムとナイロン製の人工筋肉を収縮させ、重い物を持った時、腰にかかる負担を約30キロまで軽減する。標準モデルの本体重量は約8キロで、リュックサイズのように自然な感覚で着用できる。
訪問介護サービスを運営するアサヒサンクリーンが導入済みで、会場ではデモも行われたほか、自力で歩行が困難な人向けに、リハビリを手助けする「屈曲補助モデル」も披露された。
空気を供給するコンプレッサーやチューブを取り払い、屋外でも使用可能な「スタンドアローンモデル」も参考出展。従来は手動だった圧縮空気の調整も自動化し、流通や土木建築など幅広い分野に訴求する考えだ。
アクティブリンクは、モーターを活用した「アシストスーツAWN-03」を出展。体幹の動きを位置センサーで検知し、両腰のモーターが回転し負担を抑える。
本体の重量は約6.5キロ。重い物を持った時、左右に体が傾いても片側のモーターが駆動を調整し、バランスを崩さない――といった機動力も特徴だ。荷物を抱えたまま上体を保持する「ホールドモード」、歩行をスムーズにする「歩行モード」など、体の動作に合わせ、自動でモードも切り替える。1回の充電で、最大8時間まで駆動できる。
物流や製造・小売などをターゲットに、12月末から三井住友ファイナンス&リースグループと共同でレンタルを開始する。
一方、三菱重工業は“重い作業服”を軽減するという、異なるアプローチの「パワーアシストスーツ」を参考出展している。東日本大震災を契機に、日本原子力発電と共同開発したもので、放射線を遮へいする作業服(約40キロ)を、ほとんど重さを感じずに着用できるようにアシストする。
両腰と両ひざに計4つのモーターを装着。作業服を着た状態でも時速3キロほどの歩行を可能にした。連続稼働時間は2時間ほどで、防塵・防水性能も充実させ、実用化を進めるという。
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