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» 2015年12月07日 14時59分 公開

「あかつき」軌道投入は「成功期待できる」 予定通りエンジン噴射 「軍艦のように頑丈だった」(2/3 ページ)

[岡田有花,ITmedia]

あかつきは「軍艦のように頑丈」

 あかつきは満身創痍だった。既に設計寿命を超えている上、当初予定より太陽に近い軌道を回ったため長時間太陽熱にさらされ、機体の劣化が進んでいることも心配されていた。だが今回、20分間のエンジン噴射を乗り切った。

 今、あかつきに声をかけるとしたら――そんな質問を受けた中村氏は、「意外と頑丈だったね」と笑顔で答える。「こんなに堅牢な、軍艦のような探査機だとは思っていなかった。どこもほとんど壊れていないかった」。

 成功の背景には、チームメンバーの「想像力」があったと話す。「リスク管理は想像力だと思う。チームメンバーが非常に想像力をはたらかせ、確率が小さいが、もしかしたら起こるかもしれないことに対処したことが今回につながった。抜けもあるはずだが、そこには幸い引っかからなかった」。

「人智を離れてラッキーだった」

 この5年間は「長かった」と振り返る。5年という時間の長さだけでなく、金星探査で日本が役割を果たしていないことに「忸怩(じくじ)たる重いがあった」という。「日本は惑星探査のノウハウがなく、一回失敗してみないと次のステップには進めないというのがやってみた実感。日本の技術というアドバンテージはあるが、一歩一歩進まないといけない」。

 一方で「ラッキーだった」とも。「探査機は一部壊れたが、残りほとんどが無事だったことが人智を離れてラッキーだった。(2010年の軌道投入時に)メインエンジンを吹いたのが2分間だったことも、探査機が生きてる間に金星に会合できるチャンスになった。8分間や6分間だったら、(金星に再会合できるまで)もっと長かったかもしれない。千載一遇のチャンスをものにした工学チームの力を感じた」。

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