オンライン将棋対戦「将棋ウォーズ」など人工知能(AI)を活用したサービスを運営するHEROZは1月4日、一二三インキュベートファンドを第三者割当先とした1億円の資金調達を発表した。これまでの将棋やチェスなどの頭脳ゲーム領域に加え、金融関連のIT分野「Fintech」にも本格参入するという。
調達した資金はエンジニアの採用などAI研究体制の強化などに用いるほか、新たにFintech分野にもサービスを拡大。同社が培ってきたAI技術を、証券の市場予測やノンバンクの与信管理などに応用していく。昨年から大手金融機関と協業し、収益化に成功しているという。
これまで注力してきた頭脳ゲーム領域も拡大を目指す。2015年にリリースした「CHESS HEROZ」「BackgammonAce」の広告展開に注力し、世界規模でユーザー数を増やしたい考えだ。同社によると、全世界の競技人口はチェスが約6億人、バックギャモンが約3億人に上り、両タイトルの認知度向上から始めたいという。
同社は、12年にオンライン将棋対戦「将棋ウォーズ」の提供を開始。同社のエンジニアが開発したコンピュータ将棋ソフト「Ponanza」との連携機能を搭載するなど、頭脳ゲームの開発を通じて蓄積したAI関連技術をサービス展開に活用してきた。
これまでに同社の将棋ソフト「Ponanza」「ツツカナ」は、プロ棋士とコンピュータが対局する「将棋電王戦」(ドワンゴ主催)にも出場。第2回では「ツツカナ」が現役プロ棋士を相手に勝利を収めており、15年の「世界コンピューター将棋選手権」「第3回将棋電王トーナメント」では「ponanza」が優勝を果たしている。
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