セカオワ「Fukase」のボーカロイドで制作した楽曲がYouTubeで“本人認定”され著作権侵害扱いに――“名誉の誤認”による悲劇は、権利者側の申し立て撤回により無事に解決したようです。
問題になったのは、「SEKAI NO OWARI」のボーカリスト「Fukase」の声を基に開発した「VOCALOID4」用歌声ライブラリ「VOCALOID4 Library Fukase」を使用した同バンドの楽曲「スターライトパレード」。ソフトの付属小冊子で「本人っぽく」歌わせる調声の題材となっている作例です。
制作者のタカオカミズキさんによると、2月3日にYouTubeにアップロード後、17日に「著作権で保護された曲が含まれる可能性がある」として、音声トラックをミュートする処置を受けていました。この“「原曲まんまじゃねーか」という名誉の誤認”に対し、異議申し立てを行っていましたが、一度はその申し立て自体が承認されず……。
誤解から半月経った3月1日、ついに権利者側から申し立ての撤回が。レコード会社・トイズファクトリーからも「非常に丁寧なお詫びのメール」を受け取ったとのことです。
YouTubeやニコニコ動画はJASRACと楽曲利用に対する包括契約を行っていますが、使用できるのは自ら演奏や歌唱した自作音源に限られます。原曲そのものを利用する場合は、レコード会社などの許諾が別途ない限り、権利侵害になってしまいます。
楽曲制作ツールであるボーカロイドは楽器などと同様の扱いであり、本来であれば利用可能ですが、“本人認定”を受ける技術力・再現力の高さゆえに起きてしまった悲劇のようです。
タカオカさんは、同じく「Fukase」を使用し、「シュガーソングとビターステップ」(UNISON SQUARE GARDEN)も公開。違うアーティストの曲をFukaseさんの声で――ボーカロイドならではの楽しみ方ですね。
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