「従来の印刷方式――オフセット印刷やグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷など――に使われるのが印刷機。レーザーやインクジェットなどのデジタル方式がプリンタでしょ?」
この答えには「プリンタは印刷機ではない」という意味合いが含まれていますね。少し前まではこのような見方は一般的な意見だったとも言えます。
正解は……印刷機とプリンタの違いは「ありません」。あくまで「日本語と英語の違い」です(引っ掛け問題でしたね)。
昔は工場にあるような大きくて重い機械を「印刷機」、後発のレーザーコピーやインクジェットなどコンパクトなマシンを外来のまま「プリンタ」と、新旧の区別を付けていたのでしょうか。当時のデジタル印刷はスピードが遅く印刷品質も悪かったので、「おもちゃ」のようなイメージもあったのかもしれません。
古くからあるものを日本語(漢字)で、新しいものはカタカナで表現する――日本語の優れた使い方かもしれません。しかし、このように言葉のイメージから入ってしまうと、本質から逸れてしまう危険性もあると思います。
印刷業界のメディアの中でも「インクジェット印刷機」という表現が一般的になってきたので、このような間違いは減っていくと思います。インクジェットが印刷方式の1つとして認知され、実用化した証明とも言えます。
似たような例としては、「インキ」と「インク」はちゃんと使い分けて! などがあります。こちらも英語に直すとInk(インク)で同じです。「エネルギー」「エナジー」などもそうですね。皆さんの業界にもそんな言葉があるでしょうか。
会場では3Dプリンタや3Dスキャンも見かけました。HPブースでも最新のPCとともに展示され盛況でした。第1回で「痛車はこうしてできている」として取り上げたカーラッピングも、職人技とITが連動していくとさらにおもしろいことになるかもしれません。
さまざまな情報を一度に収集できる国際展示会。「アイデアが出てくるから来てるよ」とフリーで来場する人も少なくありません。日本からの来場者も多いですが、海外の人から見ると「???」な特徴があります。印刷のお話からは少し脱線して、そのあたりもご紹介しましょう。
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