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人工知能が洋服を選んでくれる ユーザー7万人突破のファッションAIアプリ「SENSY」が目指すもの“未来IT”で世界を変える すごい国産スタートアップ(1/3 ページ)

» 2016年06月10日 07時00分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「いわば、自分のクローンを育てるような感覚です」。ファッションの好みを伝えれば人工知能(AI)が学習し、ユーザーの嗜好に合わせた服を提案してくれる。2011年創業のスタートアップが手掛ける「SENSY」(iPhone/Android向け)は、誰もが気軽に無料で使える「ファッションAIアプリ」だ。

 チャット風の画面で提案された服に「いまいち」「いいね」どちらかの評価を付けると、ユーザーの好みを学習。最初の提案はランダムだが、使えば使うほど好みに近い服を勧めてくれるようになる。

photo ファッションAIアプリ「SENSY」

 開発したのは、従業員13人のスタートアップ、カラフル・ボード(東京都渋谷区)。2014年11月にアプリの提供をスタートし、最初の1年間でダウンロード数は4万5000件を突破。現在、アプリ外の利用も合わせたアカウント数は7万件以上という。

 「人工知能が社会をどう変えるのか、イメージできないことに違和感を抱いていた」――同社の渡辺祐樹CEOはこう話す。大学在学時に人工知能の研究に携わり、一度就職してから起業の道を選んだという。「社会に出て、大量生産された洋服が誰にも着られず捨てられてしまっている問題に気付いた。人工知能でそんな無駄を解消したい」。

【特集】“未来IT”で世界を変える すごい国産スタートアップ

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「人工知能が社会をどう変えるのか」――きっかけは“違和感”

 SENSYは、5000以上のブランドから人工知能が服を提案してくれるアプリ。使いこむごとにユーザーの好みを学習し、チャット風の画面で「これはどうですか?」「では、こんな感じはどうですか?」と嗜好に近いものをレコメンドしてくれる仕組みだ。

 提案された服は拡大画像を見たり、提携しているブランドのECサイトで購入したりできる。服の詳細画面で「コーデをお願いする」ボタンを押せば、その服に合わせて人工知能がセレクトした全身コーディネートを見ることも可能だ。

photo 人工知能が提案する服に「いまいち」「いいね」の評価を付けると、ユーザーの好みを学習していく。
photo 人工知能が選んだ全身コーディネートを見ることも可能。

 「人工知能に自分の好みを覚えさせるのは、いわば自分の“クローン”を育てるような感覚」と渡辺CEOは説明する。ユーザー自身が育てた人工知能のほか、提携しているファッションモデルが育てた人工知能にコーディネートを提案してもらうこともできる。

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