PVはスマートフォンとPCのWebブラウザから視聴できる仕組み。参考書に印刷したマーカーに、スマートフォンアプリ「AReader」をかざすとPVが再生される。
あえてCDもつけ、元歌だけでなくカラオケ音源も収録した。「携帯音楽プレーヤーに曲を転送し、繰り返し歌って覚えてほしい」という思いからだ。早口だったりキーが高く歌いづらいものも多いが、中学生はカラオケでも、歌うのが難しい“無理め”な曲にあえて挑戦することを楽しんでおり、歌いづらい曲はむしろなじみ深いという。
参考書の表紙はビビッドだ。理科は鮮やかなグリーン、歴史は鮮やかなピンク。それぞれ、学ランの男子と女子がヘッドフォンを着けた絵が描かれている。
初音ミクなどボカロキャラを表紙にすることも考えたが、それでは「キャラ本」のような印象になる上、中学生はミクなどボカロキャラそのものより、ボカロ小説のように「Pが作った世界観」に入り込むことを好むと考え、この形に落ち着いた。
「いまの子ども達は“ビジュアル世代”。視覚からの刺激にあふれ、格好良くて、かわいくて当たり前」――そう考え、参考書は全ページフルカラーで構成。各曲のイメージイラスト、歌詞、その範囲の解説、歌詞の穴埋めで要点をチェックする問題を収録した。
動画とCDを付け、紙面はフルカラー。かかったコストは通常の参考書の3〜5倍にものぼるという。「増刷しないと赤字」という背水の陣での発売だった。
「人気のPが参加したボカロ曲付き参考書が出るらしい」――話題はネットから火が付いた。
曲作りに参加したPの1人「れるりり」さんが、人気曲「脳漿炸裂ガール」の替え歌で縄文時代を学べる「縄文炸裂ガール」を、発売前にニコニコ動画にアップ。「あのれるりりさんがセルフ替え歌! ご乱心!」などとファンが驚き、再生ランキング1位に輝いた。同社は、全20曲のダイジェストが聴けるプロモーションビデオもニコニコ動画とYouTubeで公開。ボカロファンの注目を浴びた。
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