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» 2016年06月28日 13時14分 公開

ヒトゲノム合成計画が始まる

解析は終わった。合成の手法も確立している。

[大村奈都,ITmedia]

 ヒトの細胞からヒトの細胞を作り出すクローン人間やiPS細胞ではない、まったく新しくヒトの遺伝情報全体を作り出す研究を、米国の科学者と企業家のグループが開始した。米科学誌Scienceに6月2日、論文を発表している

photo Science誌

 5月上旬、米ハーバード大学に約130人の科学者や企業家が集まり、会議を開いた。しかしその会議の内容は論文発表までいっさい秘密にされたので、その閉鎖性に批判が集まっていた。

 このプロジェクトは、2003年までにヒトの遺伝情報を記録した塩基配列をすべて読み解いたヒトゲノムプロジェクトと、同規模になると見込まれている。今回のプロジェクトについて、論文の共著者であるジョージ・チャーチ米ハーバード大学教授は「ヒトゲノムプロジェクトよりも野心的かつ、実用的応用に焦点をあてたものになる」と述べている。

 合成したヒトゲノムによって、移植専用臓器の開発や、ワクチン製造の効率化が期待できる。しかし、生物学的な親を持たない子供を作り出す可能性があり、倫理面での議論が起きそうだ。

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