ロックイベント「CLASSIC ROCK AWARDS 2016」で、ジミー・ペイジ氏が演奏するかのように宣伝していたにも関わらず、実際は演奏しなかった問題で、イベントに参加した1人で、弁護士の奥山倫行さんが11月29日、主催者のKLab Entertainmentを相手取り、約17万円の損害賠償を求める訴訟を札幌簡易裁判所に起こした。
17万円の内訳は、奥山弁護士が住む札幌から東京までの航空券代と宿泊費、チケット代(4人分)など。「訴訟を通じ、事実関係を明らかにしたい」と話している。
「CLASSIC ROCK AWARDS 2016」は、11月11日に東京・両国国技館で開かれたロックイベント。事前の告知では、ペイジ氏が演奏するかのように宣伝していたが、実際はプレゼンターとして2分ほど登場しただけで演奏はなく、来場者が抗議していた。
抗議を受け、KLab Entertainmentは14日、「ペイジ氏は演奏しなかったが、イベントは成立していたため返金しない」と発表したが、21日になって「失望した来場者には、チケット代金を返金する」と対応を転換した。
奥山弁護士は、このイベントにペイジ氏が参加すると知り、「ジミー・ペイジとジェフ・ベックの共演を観たい」とチケットを購入。自らが出演するラジオ番組でも2人の共演を案内し、リスナーにも参加を呼び掛けたという。だが共演はなく、個人として失望しただけでなく、ラジオのリスナーに対しても責任を感じているという。
14日には、2人の共演がなかった理由や経緯について、KLab Entertainmentにただす質問状を送付したが、「契約上の守秘義務がある」として十分な説明がなかったため、提訴に踏み切った。
KLab Entertainmentの対応について奥山弁護士は「事実関係はうやむやなままで、チケット代だけ返金すればいいだろうという対応にしか思えず、企業としての社会的責任を果たしていない」と批判。「訴訟を通じてまずは事実を明らかにしたい」と話す。
また、「ジミー・ペイジの参加とジェフ・ベックとの共演を告知したのはチケット発売前日だった。実際は共演の予定がなかったなら、嘘の情報でチケット購入をあおったことになり、詐欺罪に当たる可能性もある」と指摘する。
訴訟で事実関係を明らかにすることが、敬愛するペイジ氏の“名誉回復”につながれば、という思いもあるという。「『ジミー・ペイジはギターぐらい弾けばよかったのでは、ペイジも悪いのでは』といった論調もあるが、そもそもの契約に演奏予定がなかったなら、そのような批判は当たらない」。
KLab Entertainmentは「訴状が届いていないので、中身を確認できず、コメントできない」と話している。
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