米Appleは、自動運転車プロジェクト「Project Titan」を継続しているようだ。同社が米運輸省の全米高速道路交通安全局(NHTSA)に提出した11月26日付の文書に、「機械学習と自動化の研究に大きく投資しており、輸送機関を含む多様な分野での自動システムの可能性に夢中になっている」という一節がある。
NHTSAは、自動車や運転者の安全を監視する米国運輸省の部局。同局が公開した文書(リンク先のダウンロード可能なPDF)はマーク・ローズカインド長官宛の5ページにわたる書簡で、差出人はAppleの“製品整合性(Product Integrity)”担当ディレクター、スティーブ・ケナー氏。
ケナー氏は、当局はすべての自動運転車メーカーが発展できるような公平な環境を作り、新規参入メーカーも先行メーカーと同等に扱うべきだと進言した。
また、NHTSAの現行のガイドラインがメーカーに対して互いに安全情報データを共有するよう求めていることに懸念を示した。安全のためにデータを共有することには賛成だが、ユーザーのプライバシーの保護が最優先であり、参入メーカーはすべて、プライバシー保護のために必要なリソースに投資すべきだと主張する。
ケナー氏は書簡を「Appleは、自動運転車がもたらす目覚ましい社会的利益を安全かつ迅速に実現するためにNHTSAおよび他のステークホルダーと協力していくことを楽しみにしている」という言葉で締めくくった。
Appleが自動運転車を「Project Titan」というプロジェクト名で開発しているといううわさは今年2月ごろからあったが、9月には同プロジェクト縮小のうわさが立った。
今回の文書からはAppleがハードウェアとしての自動車を開発しているのか、ソフトウェアシステムを開発しているのかは分からないが、少なくとも自動運転事業から撤退してはいないことは、ほぼ確実だろう。
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