この新種はスマートフォンの形状でありながら、必要な時には外部モニターにPCの画面を表示できます。スマートフォンでありながらPCとしての機能を担うことができるのです。
Windows 10 MobileのContinuum表示の例。スマートフォンの画面をUSB Type-Cケーブル経由で大きなディスプレイに出力して、キーボードやタッチパッドでスムーズに入力できる。同時にスマートフォンの充電も行えるのでスマートフォンのバッテリー切れを心配する必要がないスマートフォンの画面では難しかったプレゼンテーション資料の作成や、ドキュメントでの文書作成といったクリエイティブな作業がより快適に行えるようになりました。
“歩きスマホ”は危ないので避けるべきですが、電車の移動中やカフェなど、ちょっとした場面でわざわざPCを取り出さなくても気軽にメールやスケジュールの確認ができることの利便性は計り知れません。
当たり前ですが、この「デバイス」はスマートフォンなのでLTE通信機能も持っています。常時インターネットに接続され、当然スリープしている状態でも通信は生きていますので、メールも常に最新に更新されますし、電話があれば着信します。
スマートフォンとしては当たり前の機能ですが、例えば、スリープしている状態でもカレンダーの予定の15分前になるとリマインダー表示がバイブレーション機能とともにお知らせしてくれます。
このようなパーソナルアシスタント的なことは、実は現在のPCではほとんど出来ません。スリープ中に通信が生きていることもなければ、バイブレーション機能で通知してくれることもないのです。
スマートフォンで当たり前にできている機能に加えて、PCとしての機能を担保できるとしたら、すてきではありませんか?
私は、帰宅時の予定を入れるようにしています。スリープしていてもバイブレーションで確実に通知してくれますので、仕事に集中しすぎて帰る時間を忘れるということも無くなりました。
働きの改革、残業時間の削減、ワークライフバランスの実現には「時間は有限のリソースである」という時間への意識向上がもっとも有効です。時間を意識するきっかけにこういったデバイスも有効に働くかもしれません。
さらに、近い将来にはWindowsのアプリケーションが動作するようになるという情報もレポートされているので、そうなれば相当数の方が検討できるのではと考えています
このデバイスは、市場リサーチ会社においての出荷数やマーケットシェアは「スマートフォン」としてカウントされるのではと思いますが、機能としてはPCとしての役割を備えていると言えます。
今後もさまざまなメーカーからいろいろなデバイスが出てくると思いますので、よりユーザーが自身に合った製品を選びやすい状況になると予想しています。
新しい形態のデバイスが生まれることにより多様化が進み、もはや“パソコン”という定義でくくることは出来なくなってしまうかもしれませんが、個人や企業が行うクリエイティブな活動をこういったデバイスが今後も支援していくことは間違いありません。
著者:白木智幸(しろき・ともゆき)
日本HPPC&タブレットエバンジェリスト。パーソナルシステムズ事業本部に所属し、法人向けタブレット製品のプロダクトマネージャ(製品企画)とビジネスプラン(販売計画)を担当。PCやタブレットの楽しさや素晴らしさを広くお伝えすることを通じ、グローバル化の進む現代でよりよい働き方を実現するためのエッセンスを提供することがテーマ。
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