RPGアツマールに投稿された大半の作品は、ゲームをクリアすると、オープニング画面に戻るようになっている。伊豫田さんによれば、エンディング画面を見て一息したユーザーが、オープニング画面に「面白かった」などの感想を書き込む――という流れが生まれているという。「ユーザーレビューをオープニング画面で読める」(伊豫田さん)
オープニング画面に集まるレビューは、制作者がゲーム内容を修正することにも役立つ。実際に「松恋」では、綾野さんが「途中のミニゲームが難しい」というコメントを見て難易度を再調整したという。
「RPGアツマールが実現したことは、クリエイターの楽しみをショートカットさせたこと。RPGアツマールの革命的な要素だと思う」(吉澤さん)
「もう1つ、RPGアツマールで実現したのは、スマホ世代にも自作ゲームを楽しんでもらうこと」――吉澤さんはそう語る。伊豫田さんは「これまでの自作ゲームは、PC環境で作られるものが主流。スマホのゲームアプリとは独立した世界にあった」とも指摘する。
だが、この問題を解決できそうな機能が「RPGツクールMV」には備わっている。制作したゲームをHTML5形式で出力することで、PC・スマホを問わずWebブラウザで遊べる――というものだ。「ゲームの公開ページのURLをTwitterなどに貼っておけば、それを見たユーザーがリンクを踏んでそのまますぐに遊べる。アプリをダウンロードする手間もかからない」(吉澤さん)。
そうした効果もあってか、RPGアツマールでは、ニコニコ動画などに比べるとスマホユーザーの利用比率が高いという。「自作ゲームは個人が投稿しているので、コンシューマーゲームと比べると、ユーザーが認識しないと遊んでもらえない。クローズドだったPCの世界だけでなく、スマホにも対応させることで、自作ゲームのプレイヤー人口を拡大させたい」(吉澤さん)。
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