著作権法上、権利者に無断で引用しても適法となる要件をシンプルに言うと以下のとおりです(著作権法第32条)。
1 本文と引用部分の明瞭区分
2 本文(自分の記事)がメインで、引用部分がサブ(主従関係)
3 引用の必然性がある
4 改変しない
5 出典を明記する
NAVERまとめでは
・引用部分(他人のコンテンツ)がメインで、本文は存在しないか補足説明を加えているだけ。主従関係が逆になっている
・引用する必然性もない(記事内容と関係ない画像が使用されたりしている)
・出典も明記されていない例がある
など、適法な引用要件を満たしていない記事が相当数見られる状態でした。
さらに批判が集まったのは、実際に削除要求をした際のLINE社の対応です。
コンテンツを無断使用された方が、LINE社に削除請求をしたところ、LINE社は
・無断使用された側のサイト内に「このページ内の画像をNAVERまとめに転載することを禁止します」と追記すること
・または無断使用された側のサイト内に「000000」というような6桁の「問い合わせ番号」を追記すること
を求めたため、なぜ一方的に無断使用された被害者側がこのような手間をかけなければならないのかとの批判が集まりました。(関連記事:NAVERまとめに無断転載“された”側の訴え……「抗議への対応に驚愕」/なぜ無断転載された側に手間を要求? 「NAVERまとめ」の“トンデモ”削除対応、理由を聞いた)
また無断使用された側が、まとめ記事作成者に直接削除要求を行うために、LINE社に対してプロバイダ責任制限法(プロ責法)に基づきまとめ作成者の情報開示を請求したもののLINE社は請求を拒否した経緯を綴ったブログもNAVERまとめ批判に更なる勢いをつけました。(関連ブログ:「旅するフォトグラファー 有賀正博」より NAVERまとめに無断転載を抗議したら、衝撃的な回答が来た)
以上のとおり、NAVERまとめでは
・他人の文章や画像を容易に無断使用できる仕組みだったこと
・実際に著作権法上の引用要件を満たさないまとめ記事が相当数見られること
・削除請求を受けた後のLINE社の対応
などが問題視され、NAVERまとめへの批判記事のほか、広告配信停止を求める署名活動も行われるまでになっていました。
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