「これははっきりさせておきたいんだけど、『Coloring Book』のApple Musicでの2週間独占ストリーミングでAppleから50万ドル(約5600万円)とコマーシャルをもらった」──。シカゴ出身のヒップホップアーティスト、チャンス・ザ・ラッパーことチャンセラー・ベネット氏(23)は3月17日、自身の公式Twitterアカウントでこうツイートした。
同氏はレーベルと契約せず、“インデペンデントな”アーティストとして音楽を無料のミックステープという形態で提供することで知られている。3本目のミックステープ、Coloring Bookは2016年5月12日から2週間、Apple Musicでのみ無料公開され、最初の週にBillboard 200の8位にランク入りした。
2週間後にはSoundCloudやGoogle Play Musicなど、他のストリーミングサービスでも公開された。
このミックステープはストリーミング配信のみの音楽として初めて2017年のグラミー賞にノミネートされ、「ベストラップアルバム」を受賞した。
同氏は上記のツイートの前に「Appleとの関係についてとやかく言う人々は放っておこうと思っていたんだけど、私の独立性について批判する人が増えてきた」ともツイートしている。「はっきりさせておかないと、Coloring Bookでわれわれが成し遂げたことへの中傷が続くと思う」「アーティストは、自分の作品の権利をちゃんとコントロールできていれば、ストリーミングサービス戦争から儲けられると思う」「私は透明性を保ちたかったんだ。独立したアーティストはみんな、自分を守るためにできることをすべてやるべきだってことを知るべきだ」ともツイートした。
音楽ストリーミングサービスは差別化が難しく、Appleはこれまでにも何組かのアーティストのアルバムの先行提供や独占動画の公開などを行っている。競合するスウェーデンSpotifyは3月2日、有料会員が5000万人を突破したと発表した。Apple Musicの有料会員数は2016年12月の時点で2000万人とみられる。
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