「コミュニケーションロボットへの心理的な障壁を払しょくしたい」――海田さんは、タチコマにそんな思いを込めながら開発したという。海外では 「Amazon Echo」「Google Home」など音声AIアシスタントが認知され、普及しつつあるが、日本では「それほどロボットなどと音声でやり取りする文化が浸透していない」(海田さん)という。
「日本人の大半は、ロボットに話しかけることが恥ずかしいと思っている」。例えば、何もモデルがないオリジナルロボットだと、ユーザーが「怖い」「どう話しかければよいか分からない」という心理的な抵抗を抱きやすい。タチコマのようにキャラクターとして知られているものをロボットにすれば、話しかけるハードルが下がると海田さんは期待する。「タチコマのキャラを借りることで、ユーザーが気軽におしゃべりできるコミュニケーションロボットの先駆けになるのでは」。
「日本製のロボットは、最初から手足を生やそうとしがち。海外だと、Amazon Echoのように人型ではない音声入力ロボットから始まり、徐々に顔型のディスプレイが付いたり、足が生えたりして人間に近くなるので、日常生活になじむ。ただ、タチコマはそうした段階を飛び越えられるキャラクター性を持っている」(海田さん)
「私たちはやり過ぎるところがある」――海田さんは、開発時をそう振り返る。Cerevoがアニメに登場するアイテムを再現したのは、ドミネーターに続き、タチコマが2例目。家電製品の開発技術を応用し、高額ながら「他の企業では作れるものは作らない」(海田さん)というスタンスを貫いてきた。海田さんは「私たちにとって『こういう製品が得意』というのが見えてきた」と話す。
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