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キリンビールの「ゆっくり届くボタン」に込めた思い 「人間、ずっと頑張るってできない」(2/3 ページ)

» 2017年05月25日 07時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

ゆっくりする時間があるから頑張れる

―― 緩急つけるって大事ですもんね。野際さんの普段の働き方にもそういった「スロー」な部分は取り入れられているんですか?

野際さん 日々忙しく働かせていただいておりますが、休む時は休む、働く時は働くとメリハリをつけてます。休みの日にはもちろん休んでいますが、お店に行ってお客さまがどういう製品を手に取っているか見ていますね。お客さまに喜んでいただけるのが僕らにとって一番うれしいことなので、お客さまの興味関心はとても興味深いことです。プライベートでのそういった発見を、普段の仕事に生かしていく、といったスタイルで日々緩急をつけて働けていると思ってます。

 頑張って働いて、お客さまに喜んでもらっても、ゆっくりする時間がないとその達成感も味わえません。ゆっくりして自分を見つめ返せる時間があるから頑張れるし、心の余裕も出てきます。だから日々頑張れて、成長していけるっていうのがあるんじゃないかなと。

―― いくら忙しくても、休憩なくして成長はないと。スローボタンが当たったユーザーにもそのように過ごしてもらいたいですか?

野際さん 本当にもう、ゆっくり待っていていただきたいですね。届くまでの時間も楽しいですし、届いた時のうれしさも違うと思うんです。

 「いついつ届きます!」って商品が来るより、「押した。押したけどいつ来るんだ…… (忘れたころに)あ、なんか来た」って届いた時に、「あー、あれかあれか」ってなるの良くないですか?

 化粧箱にもこだわっていて、結構かわいいデザインにしました。以前のキャンペーンでもお客さまから「かわいい箱が来た」との声をいただいたこともあり、届いた時に喜んでいただけたら幸いです。

公開からの反応は?

―― キャンペーンサイトを公開してからの反応はどうですか?

野際さん SNS上で見ていて、「ゆっくり届くって斬新、面白いね」という声を多くいただいております。切り株の形に引かれて応募しちゃいましたという人もいて、面白い物を作れて良かったと思ってます。

芝生の上に置いても全く違和感がないスローボタン

―― 実際の物を見せていただいて、結構作りにこだわっていますよね。外側もヒノキでしっかり香りもしますし。

野際さん そうですね。上面のロゴもただの印刷ではなく、レーザーで削って凹凸をつけていますし。こういうところで手を抜くと、せっかく当選したお客さまもうれしさが半減してしまうので、質にこだわったものをお送りしたいと心掛けています。

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