透明のピラミッドの中を水が流れ、オレンジの果肉が踊り、缶にぶつかって水しぶきが上がる――そんなデモンストレーションが、VR(仮想現実)技術の展示会「3D&バーチャル リアリティ展」(6月21〜23日、東京ビッグサイト)に登場した。実は、缶以外は全て立体映像。水もオレンジも存在しない。いったいケースの中はどうなっているのか。
開発したのは、デンマークの映像制作会社Realfiction。4枚のガラス板をピラミッドに貼り合わせ、それぞれの面に天井から映像を投影。映像がガラス面で屈折し、まるでピラミッドの内部で浮いているように見える――という仕組みだ。各面で異なる映像を映し出すことも可能だ。
同製品を日本国内で販売しているケー・シー・シー・商会の姫野泰宏社長は「ガラスや映像との距離によって“そこにあるように”感じられる。投影している映像はあくまで2Dデータだが、人間の目だと錯覚で3D映像に見える」と話す。
デジタル公告や展示会のほか、「どの角度からも立体的に見える」ことを生かし、企業の商品開発会議などで、商品の映像を投影するといった活用も見込む。
中央に浮かぶ立体映像を囲み、指先で回したり、動かしたりする――そんなSF映画のような会議が実現する日も近いかもしれない。
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