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クルマにお絵かき投影!? プロジェクションマッピングで自由自在(動画あり)3D&バーチャル リアリティ展

» 2017年06月21日 16時46分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 タッチパネルにお絵かきすると、車体にプロジェクションマッピングで投影される――そんなデモンストレーションが、VR(仮想現実)技術などの展示会「第25回3D&バーチャル リアリティ展」(6月21〜23日、東京ビッグサイト)に出展されている。いったいどんな仕組みなのか。担当者に話を聞いた。

デモンストレーションの様子

 白い車体に青い雲が現れたかと思えば、次は黄色い花が咲く。ふと目を離した間に、今度は車体そのものが水色に染まっている。しかし車体のそばに人影はなく、離れた場所にいるデザイナーが巨大なディスプレイに向かって、思うがままにドローイングを続けている。描いたものがリアルタイムで車体に反映されていく様子は、まるで魔法のようにも見える。

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photo お絵かき後の車体

 開発したのは、業務用3D立体プロジェクターを手掛けるクリスティ・デジタル・システムズ。同社技術部の野村祥高さん(アプリケーションエンジニアマネージャー)によると、自動車へのプロジェクションマッピングは、平面に描いたもの(2Dドローイング)をリアルタイムで3D用にカスタマイズすることで実現しているという。

photo 野村さん

 「(同社のシステムで3D化した映像を)車体のボンネット側とサイド側に設置した2台のプロジェクターから、車体に合わせた形でリアルタイムに送出・投影している」と野村さんは説明する。

 3D投影は、同社「Chrstie Pandoras Box」シリーズのシステムと、2台のプロジェクター「Christie Boxer 4k30」を組み合わせて実現した。この技術を使えば、今回の展示のようなリアルタイムドローイングに加え、撮影した画像や動画を投影することも可能という。



動画投影の様子

 「2Dで描いたものを立体物に映したとき自然に見えるよう、ゆがみなどをPandoras Boxで補正している」(野村さん)

 なぜこのような展示を行っているのか。「今回のような展示会で注目が集まるのは、おそらくヘッドマウントディスプレイ。その中で、当社独自のものを押し出したかった」と野村さんは狙いを話す。

 「今回のような3D投影を、映像のカスタマイズから投影までプロジェクターのみで行えるよう開発を進めている。プロジェクターの小型化にも取り組み、より幅広い用途で使ってもらえるようにしたいと考えている」(野村さん)。

 この3Dマッピング技術は、自動車メーカーでの車体デザインなどへの利用をはじめ、「実物がどうなるか、実際に見てみないと分からない」悩みを抱える各種分野への応用を検討しているという。

 クルマの次は何が彩られるのか。プロジェクションマッピングのこれからが楽しみになる展示だった。

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