毎朝見てたはずなのに……知らない間に変わっていた駅の“アレ” 制作会社「気付かれなくていいんです」(1/2 ページ)
駅の券売機やバスの行き先表示――そんな誰もが目にする物の一部が、多くの人に気付かれることなくひっそりと変わっていることをご存じだろうか。
実は、変わったのは「フォント」。2016年ごろからさまざまな交通機関の表示が新しいフォントに置き換えられているという。いったい何のために、どんなフォントに変更したのか。フォント制作企業のモリサワに聞いた。
2016年ごろから「ユニバーサルデザインフォント」に それって何?
話をしてくれたのは、モリサワの園田晋さん(エンタプライズ事業部)と澤村明子さん(広報宣伝部)。園田さんによると、駅で使われるようになった新フォントの一部は、モリサワが手掛ける「ユニバーサルデザインフォント」(UDシリーズ)というものだ。
「JR東日本の券売機に使われているのは、モリサワのUD新ゴです。バスタ新宿にある電光掲示板の行き先表示などにも同じフォントが使われています」(園田さん)
同じUDシリーズのフォントは、任天堂の「Nintendo Switch」や、キングジムの「ポメラ DM200」などでも使われているという。
だがユニバーサルデザインと聞いて記者がイメージするのは、障害の有無や国籍を問わずに誰もが利用できるよう、物の色や形をデザインすること。すでに形がある程度決まっているように思える「文字」のユニバーサルデザインとは、どのようなものなのか。
「モリサワでは、性別・年齢・視力の強弱を問わず、誰でも読みやすいフォントをユニバーサルデザインと考えています」と澤村さんは話す。
制作に当たっては、フォントよりも視認されやすい「手書き文字」に全てのデザインを近づけた。小さくしても潰れないよう、濁点や半濁点は大きく、線1本1本の間隔は広くした。
文字全体のバランスを見直したほか、フォントごとに細かいこだわりも。「明朝体や、長体をかけるゴシック体は、横線が潰れないよう10%刻みで線の太さも調整しています」(澤村さん)。
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