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RSSリーダーは“オワコン”なのか? スマホ・SNS時代の情報収集を考える(1/2 ページ)

» 2017年07月27日 10時11分 公開
[村上万純ITmedia]

 ついに、このときが来てしまったか――“とある報告”を目にし、呆然としていると、Twitterでも同士たちの“嘆きの声”が聞こえてきた。

 7月24日、ドワンゴがRSSリーダー「Live Dwango Reader」を8月31日に終了すると発表した。2006年にライブドア(現LINE)が「livedoor Reader」としてサービスを開始。豊富なショートカットキーに対応し、その利便性の高さからいくつかあるRSSリーダーの中でも人気が高く、記者自身も約10年愛用し続けてきた。

RSS RSSリーダー「Live Dwango Reader」は8月31日に終了する

  実は14年10月にも1度サービス終了が発表され冷や汗をかいたものだが、そのときは継続を求めるユーザーたちの声が殺到し、終了を撤回ドワンゴに譲渡し、今のLive Dwango Readerへと名称を変更して継続してきた。

 ……からの、サービス終了である。

 「この数年で利用者も大幅に減少しており、サービスとしての役割を終えたと考え、終了という判断に至りました」(公式サイトより)

RSS サービス終了のお知らせを公開

 今も毎日欠かさず使っている身としては非常に困るのだが、スマートフォンやTwitter/FacebookなどのSNS、SmartNewsなどのキュレーションアプリの普及で、情報収集の方法が変わってきたことも事実だ。「RSSリーダーって何?」という人もいるだろう。

 RSSリーダーは、Webサイトの新着情報を一括管理できるもので、日々情報が流れていくSNSが「フロー型」だとすれば、RSSリーダーは「ストック型」の情報収集ツールともいえる。お気に入りのサイトなどを登録しておけば、元のサイトにアクセスしなくても、日付、タイトル、内容の要約などの更新情報を一括でチェックできる。絶対見逃したくないブログやWebサイトなどを購読したいときに便利なのだ。

RSS ブログやニュースをまとめ読みするのに便利

 いくつもサイトを登録し、こまめにチェックしていないと更新情報はどんどんたまっていく。本の“積ん読”のイメージに近い。「未読エントリ1万件」とあるのを、1日の始まり(もしくは終わり)に少しずつ消化していくのもRSSリーダーの楽しみ方(?)の1つだ(読み切れずに一括既読にするパターンも多い)。記者の場合、利用はもっぱらPCから。スマホアプリも一度試したが、大量の情報を一気に消化するにはやはりPCが向いていると感じた。

 もちろん、スマホを使ってSNSやキュレーションアプリで情報収集もしているのだが、「逃したくない情報」が多岐にわたる場合は、RSSリーダーの出番だ。最近はまとめサイトやキュレーションアプリで情報を斜め読みする機会も増えているが、RSSリーダーは元サイトを登録することで、しっかりと「一次ソースに当たれる」ツールでもある。

 11年に就職活動をしていたころ、ニュースサイトを運営する企業の面接でよく「普段、何を使って情報収集してる?」と聞かれていた。当時は既にTwitterやFacebookが普及していたが、SmartNewsなどのキュレーションアプリはまだなかった。企業側も、若者がどんなアプリを使っているのか知りたかった面もあるのだろう。

 「SNSも使いますが、主にはてなブックマークで話題を探し、livedoor Readerでお気に入りのサイトを巡回します」

 こう答えると、大体「イマドキの子もRSSリーダーを使うんだ」と驚かれた。人によっては「硬派だね」と笑う。

 「(RSSの)巡回があるので、今日は帰ります」なんて言いながら飲み会をパスしていたころを懐かしみつつ、RSSリーダーがどんな役割を果たしていたのか、いま一度振り返ってみたい。

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