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太陽フレアでGPSの誤差増大 国土地理院が報告

» 2017年09月12日 10時10分 公開
[ITmedia]

 9月6日夜に観測された「太陽フレア」による電離層の乱れの影響で、8日の日中、GPSの精度がかなり悪くなる時間帯があったと、国土地理院が11日に報告した。茨城県つくば市で測定したところ、最大時で普段の3倍ほどの誤差があったという。

画像 一般のGPS測位方式による位置の変化。電子基準点「つくば3」の30秒毎の測位結果の誤差(正しい値からのずれ)。単位はメートル

 国土地理院が、つくば市にある電子基準点のデータを一般のGPS測位方式で解析したところ、太陽フレアによる電離層の乱れがなかった9月6、7日の誤差は±2メートル(南北・東西)、±5メートル(上下)程度だったが、8日の日中(午前10時〜午後3時ごろ)には誤差が最大で7メートル(南北)、3メートル(東西)、15メートル(上下)程度に増えたという。誤差は10日までに元の程度に戻った。

 誤差の大きさや時間帯は地域によって変わるためこの数値は一例だが、この時間帯でカーナビやスマホなどを用いてGPS測位を行った場合には、大きな誤差を生じた可能性があるとしている。

 電離層の乱れが生じていても、複数の観測点で得た長時間のデータを使用して測量したり、2周波データを用いて測量するなど、適切な補正を行えば影響を軽減できると、国土地理院は案内している。

画像 専門家向けのGPS測位方式による位置の変化。電子基準点「つくば1」と「札幌」の間の相対的な位置関係を、6時間分のデータで解析したもの。9月8日前後に特段の変化は見られない

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