写真・動画共有サービス「Instagram」の全世界ユーザーの80%が、自分から企業アカウントをフォローしている――Instagramのケビン・ウェイル氏(最高製品責任者)が10月3日、企業向けイベント「Instagram Day」でそう明かした。
一方、Instagramは“インスタ映え”という言葉があるように、「日常風景を投稿・共有する」「趣味や関心が合う人とつながる」場所として、ユーザーに受け入れられているという。一見すると、企業広告はこうした「投稿の世界観」と相性がよくないようにも思える。なぜ「80%」を実現できたのか。
近年、企業がプロモーションのためにInstagramを活用する例が増えている。全世界でアクティブ広告主の数は200万社、ビジネスアカウントの数は1500万に上るという。「Instagramによって、あらゆる規模のビジネスが消費者とつながるようになってきている」(ケビン氏)
こうした企業プロモーションが、Instagramのユーザーに広く受け入れられる理由は何か。フェイスブックジャパン広報部の嶋田容子さんは「ユーザーが大切にしているのが“投稿の世界観”だからこそ」と話す。
「InstagramはFacebookと違い、興味・関心が合えばつながるというように使い分けしている人が多い。世界観に合ったものを提供できれば、ビジネスアカウントであっても興味がある人が自ら情報を取りにくる」(嶋田さん)
その分、広告を見せる回数や割合、ユーザーごとにどんな広告を配信するかなど、ターゲティングには気を配っているという。「興味のない広告を出すのは、企業側とユーザー側、どちらにとっても好ましくない。バランスを上手く取るからこそ、ビジネス目的で使うユーザーや、それらを見てくれるユーザーが増えているのではないか」(嶋田さん)
同社の丸山祐子さん(クライアントソリューションマネージャー)は、企業がInstagramに広告を出すメリットは「ユーザーからのアクションの高さ」と説明する。丸山さんによれば、広告想起率(広告を見たユーザーが後で覚えているかを測定)が、米Nielsenが定める指標値の2.8倍。企業広告を見てモバイルアプリのインストールにつなげるキャンペーンでは、78%が「インストール増の効果があった」という。
「ユーザー属性を絞り効率的にリーチする」「Facebook広告と併用し、より効果的な方の出稿割合を増やす」といった運用も可能という。
フェイスブックジャパンの長谷川晋社長は「企業もInstagramコミュニティーの重要な一員」と話す。「企業のマーケティング活用では、ビジュアルコミュニケーションでできることがまだまだある。企業の皆さんと一緒に、グローバルにも誇れるマーケティングの成功事例を作っていきたい」
同社は、Facebookでも中小企業の広告サポートに注力する方針を打ち出している。同様にInstagramでも、幅広い企業やブランドに対して広告サポートを行う考えという。
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