NECは10月17日、顔認証AIエンジン「NeoFace」の機能をクラウド上で提供するサービス「NeoFace Cloud」を始めた。サーバが設置しにくい屋外、短期間のイベントや工事現場での利用を見込むほか、API連携によってスマートフォンアプリなどへの導入も促し、顔認証の用途を拡大する狙いだ。
顔認証AIエンジンをNECのクラウド基盤「NEC Cloud IaaS」上に搭載し、機能をクラウドサービスとして提供。顔認証用のサーバ設置、メンテナンス、セキュリティ対策が不要になり、登録情報をNECが代行して管理するため、安心して利用できるという。価格は端末1台当たり、顔認証対象者1人につき月額5265円(税別、以下同)。
17年10月3〜9日にイベント「顔認証スタンプラリー」(徳島県三好市)で先行導入した。あらかじめ観光客がスマホに観光アプリをダウンロードし、スタンプラリー会場に置かれたタブレット端末で顔認証すると、アプリ内にスタンプが押されていくという仕組みだ。
スタンプラリーは、三好市で開催されていた「ラフティング世界選手権2017」に合わせて実施した。大会だけでなく市内のあちこちを観光してもらう狙い。スタンプラリーにすることで、顔認証を使ったことがない人でも抵抗なく参加できたという。
NECの根本愛さん(コーポレートコミュニケーション部)は「顔認証の利用の幅を広げ、より気軽に使ってもらいたい」と話す。スタンプラリーは単なる楽しみとしてだけでなく、性別・年齢などのデータを収集して観光施策につなげ、店舗なら顔認証とユーザーの利用履歴を組み合わせて接客に生かす――といった活用方法が考えられるという。
同社は今後も、顔認証をはじめとした生体認証技術の製品・サービス群を拡充する考え。19日には、顔認証によるPCログオンや、ログオン中のユーザーを常時監視できるセキュリティソフトウェア「NeoFace Monitor」の最新版「V3」を発売する。1万6800円から。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR