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電子の歌姫誕生から10年 初音ミクが「キーボード」になった理由ボーカロイドキーボード開発秘話インタビュー(1/5 ページ)

» 2017年11月12日 09時00分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 2017年8月31日、インターネットはある女の子の誕生日で盛り上がっていた。初音ミク――歌詞とメロディーを与えると歌ってくれる「VOCALOID」(ボーカロイド)の代表的なキャラクターだ。彼女の発売10周年でもあったその日、VOCALOID技術を生み出したヤマハがある楽器を発表した。VOCALOIDがキーボードで弾いた通りに歌ってくれる「ボーカロイドキーボード」(12月発売)だ。

photo 初音ミク(クリプトン・フューチャー・メディアのサイトより)
photo ボーカロイドキーボード

 ボーカロイドキーボードは、ショルダーキーボードのような見た目の鍵盤楽器。右手で奏でたメロディーに合わせて歌声が流れ、左手ではビブラートやリバーブをかけるなど「音の表情付け」が可能。プリセットの歌詞情報、または専用のスマートフォンアプリから入力した歌詞を選択してメロディーを弾けば、同じ音階でシンガー(VOCALOID)が歌い出す。あらかじめ入っているシンガーはヤマハの「VY1」のみだが、「初音ミク」「Megpoid」「IA」「結月ゆかり」のうち1人は無料で、2人目以降は2400円(税込)で追加できる。

photo 追加可能なVOCALOIDたち

 もともとVOCALOIDは「PCに入れて使うソフトウェア」。それをなぜ、キーボードという形にしようと思ったのか。開発者の濱野桂三さん、企画担当の藤原希望さん、営業やマーケティングを担当する梅津昇陛さんの3人に話を聞いた。

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