これは以下の図のような問題です。
この点に関しては以前「AIが偶然に「穴子さん」を生み出した場合、サザエさんの著作権者に怒られるのか?(キャラクター生成AIと著作権問題)」にて詳細に解説したので是非そちらをご覧ください。
結論的には、「依拠(いきょ)性なしとして著作権侵害とならないという考えも十分成り立ちうるが、現行法上の解釈を前提とすると依拠性ありとして著作権侵害となると思われる」というものです。
以上をまとめておきます。MakeGirls.moeについては
1、仮に生データを権利者の許諾なくダウンロードしてモデルを生成していた場合、生データの著作権侵害にならないのか
→著作権法47条の7により、原則として著作権侵害にはならない。
2、生成された学習済みモデルは誰のものか
→MakeGirls.moeサービスの場合はあまり問題にならないが、「モデル生成事業者が、特定の第三者が保有しているデータを、当該第三者との間の契約に基づいて提供を受けてモデル生成をした場合」には、この「生成された学習済モデルは誰のものか」は非常にシビアな問題となる。
3、学習済みモデルで自動作成した萌え画像については誰が権利を有するのか
→モデルを用いて画像を生成するに際して「創作的寄与」があるかどうかの問題だが、MakeGirls.moeの場合は「創作的寄与」ありと解釈されるのではないか。ただし大量にAI画像生成された場合の問題は残る。
4、自動生成された萌えキャラを俺は愛せるか
→自分次第。
5、モデルが自動的に生成した萌え画像が、モデル生成に利用した生データの1つに「偶然」似てしまった場合、生データの著作権侵害にならないのか
→現行法では「依拠性」ありとして著作権侵害の可能性高い。
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弁護士・柿沼太一
1973年生まれ。00年に弁護士資格取得後、著作権に関する事件を数多く取り扱って知識や経験を蓄積し、中小企業診断士の資格取得やコンサル経験を通じて企業経営に関するノウハウを身につける。13年に、あるベンチャーから案件依頼を受けたのをきっかけとしてベンチャー支援に積極的に取り組むようになり、現在ベンチャーや一般企業、著作権関係企業の顧客多数。STORIA法律事務所(ストーリア法律事務所)所属。ブログ更新中。
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