iPhone Xは「iPhone初の有機ELディスプレイ搭載」で話題となった。では、iPhoneが有機ELになることでどんなメリット、デメリットがあるのか。液晶と比べたときを条件とし、ベテラン記者は主に以下を挙げる。
・有機ELのメリット
・有機ELのデメリット
まず、メリットから。液晶と比べたコントラスト比は先述の通り。黒色の発色は、暗い部屋でHDR(ハイダイナミックレンジ)対応の夜景動画などを見ると液晶との違いがよく分かる。iPhone X(有機EL)とiPhone 8(液晶)で夜景動画を比べてみると、iPhone Xの方が黒色が良く発色しているのが分かる。
「折り曲げられる」のも有機ELパネルの特徴。韓国LG Electronicsの曲面スマホ「G Flex」や、韓国Samsung Electronicsの曲面ディスプレイ採用の「Galaxy Note8」など、スマホでも活用されている。また、応答速度の速さや視野角の広さなども液晶に比べ有利といわれている。
次に、デメリットだ。テレビでは高画質&高級機のイメージが定着している通り、ネックなのは「価格の高さ」。また、ベテラン記者はPokemon GOのヘビーユーザーで、iPhone X購入時にまず直射日光の下での視認性を懸念していた。しかし、iPhone Xの明るさは「最大輝度625カンデラ/平方メートル」。これはiPhone 8/8 Plusと同じ数字、かつ「iPhone 6s」(500カンデラ)よりも高い数字で、明るさへの不満は特にないという。
そして、有機ELパネル搭載のスマホでしばしば懸念されるのが“焼き付き”の問題。焼き付きとは、「ずっと同じ場所に表示されていたものが画面上に残ってしまう現象」のこと。Appleのサポートページでも「残像、焼き付きなどの現象も起きるようになる場合があります」と案内されている。しかし、編集部のiPhone Xユーザーは普段使いで焼き付きが気になることはないそうだ。
また、寿命についても「スマホの買い替えサイクルを考えると、テレビほど寿命は問題にならないだろう」とも語っている。ちなみに、ガジェット記者たちにiPhone Xの感想を聞いてみたが、「普段使いで有機ELらしさを感じることはあまりない」とのことだった。
iPhone Xや「Galaxyシリーズ」など最新スマートフォンへの採用もあり、有機ELパネル市場は世界的にも堅調だ。矢野経済研究所の調査では、2022年には16年実績の3倍となる15億3660万枚が出荷される見込みとも発表されていた。中国メーカーのスマホでは、ミドルレンジ端末にも有機ELパネルが採用されている。
値段の高さがまだネックだが、今後iPhoneやさまざまなスマホに有機ELパネルが搭載されていくかもしれない。
「液晶や有機ELなどの総称をどう表現するかという問題も出てくる。ちなみに、FPD(フラットパネルディスプレイ)という言葉がCRT(ブラウン管)に対するものとしてある(トリビア)」
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