また、最近ではインスタ映えを意識した美術展なども増えてきた。森美術館(東京・六本木)で開催中のアート展「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」では、SNS映えを意識したアートがいくつも用意されている。実際に行って驚いたのが、館内の壁にInstagramなどSNSアイコンが貼られていたこと。写真撮影やSNS投稿を全面的に推奨しているようで、Instagramでも各撮影スポットでの写真が4000件以上も投稿されていた。口コミで話題になった「ナイトプール」も、Instagramが人気に火を付けた一因だったといっても過言ではないはずだ。
いくつかの問題を抱えつつも、ユーザーにとってはインスタ映えを意識することで「写真技術を楽しみながら向上できる」というメリットもある。友達や全く知らない人から「いいね!」をもらうため、試行錯誤しながら“お気に入りの1枚”の撮影に尽力する。
リコーの全天球カメラ「THETA」を使い、Instagramを楽しむ女性に取材した際は、「(いろんな荷物を入れるので)リュックはすごく重いんですが、Instagramでコメントをもらえたときのうれしさが尋常じゃないんですよね」とうれしそうに語る姿が印象的だった。
遠出する際は、iPhone、キヤノンの一眼レフカメラ「EOS Kiss X5」、360度写真が撮れる「THETA SC」の他、100円ショップで買ったビー玉や水晶玉などの小道具も携え“フル装備”で向かうという。
スキルシェアサービス「ストアカ」などでは、スマホカメラ教室を開く人たちも。「いいね!が増える」「SNS映え」などの文言が並び、スマホ撮影の技術を向上させたいニーズがあることがうかがえる。
今年の「新語・流行語」には「AIスピーカー」「炎上○○」などIT・ネット用語も多くノミネートされた。来年を象徴する言葉は何になるのか。そこから生まれる“ITしぐさ”にも注目したい。
「マストドンのインスタンスに映えるような投稿? 違うの? そうか……。例えばApple Storeは数年前は店内撮影厳禁で、「広報に問い合わせてください」だった。かつて写メがそうだったように、インスタ映えは確実によい方向に世の中を変えていっていると思う。若い女性がレンズ沼にズブズブ入っていく素晴らしい世界に」
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