熊本大学は4月6日、アンモニアを効率的に燃焼させ、有害ガスを生成しない触媒を開発したと発表した。アンモニアの燃料用途や水素の貯蔵用途、有害ガスとしてのアンモニアの浄化などへ応用できるという。
アンモニア(NH3)は炭素を含まないことから、燃焼しても二酸化炭素を発生しないカーボンフリーの燃料として注目されている。カーボンフリーの燃料は他に水素(H2)が挙げられるが、水素は液化が困難(沸点:−253℃)であるのに対し、アンモニアは比較的容易(沸点:−33.3℃)で、貯蔵や輸送に向くという。その一方アンモニアは、燃えにくい性質と、燃やした時に有害な窒素酸化物(NOx)を生成する恐れがあることが欠点とされていた。
熊本大学の日隈聡士助教ら研究チームは、アンモニアから選択的に窒素(N2)を生成するために触媒の素材を模索。一般的で安価な材料である、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の化合物に酸化銅を固定したものを触媒として使用し、アンモニアを燃焼させたところ、燃焼しやすく選択的に窒素を生成できることが明らかになったという。
研究成果は、科学雑誌「Journal of Catalysis」に3月26日に掲載された。
研究チームは、この触媒の開発を「地球温暖化対策と再生可能エネルギー高度利用社会構築に貢献するもの」とし、今後より実用に近い条件で研究開発を行う予定。
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