慶応義塾大学、情報通信研究機構(NICT)、防災科学技術研究所(NIED)は4月12日、地方公共団体などが災害時の情報分析にAI(人工知能)を活用するための訓練ガイドライン(暫定版)を公開した。防災、減災分野へのAI導入と普及を目指す取り組みの一環。こうしたガイドラインの策定や公表は世界初という。
近年、被災者がSNSで災害に関する情報を発信するケースが増え、救助活動の状況判断などに役立つと考えられている。しかしSNSへの投稿は膨大で、例えば東日本大震災(2011年3月11日)当日のTwitter投稿は約3300万件以上。人の手で情報を選択するのは困難なことから、AI(自然言語処理)技術を使って必要な情報を整理、分析する「SNS情報分析システム」の活用が期待されている。
ガイドラインではSNS情報分析システムや、災害対応を行う組織間の情報共有を支援する「府省庁連携防災情報共有システム(SIP4D)」の活用を想定。システムの機能やメリット、防災訓練の実施方法や実施に必要な準備などについて説明している。
3者は「防災訓練にSNS情報分析システムを取り入れ災害時の切迫した状況でもシステムを間違いなく使用できるよう備えることが大切」とし、今後も防災や減災分野への人工知能技術の導入を目指す他、社会状況に合わせてガイドラインの内容も見直していくという。
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