スマートグラスをかけると、目の前にブルーグリーンのツインテールの女の子がこちらに背を向けて立っていた。「こっちに来て」と呼びかけると、振り向いた彼女――初音ミクが「こんにちは」と声をかけてくれる。そんなデモンストレーションを、KDDIが4月26日の記者発表会で公開した。同日、発表したバーチャルキャラクターとXR(AR、VR、MRなどの総称)を使った取り組みの1つ。製品化を目指して開発を進めている「バーチャルキャラクターAI」という。
バーチャルキャラクターAIは、KDDIがクリプトン・フューチャー・メディアと共同開発したARアプリ「ミク☆さんぽ」で培ったAR表現と、AIの開発などを行うクーガー(東京都渋谷区)の技術を組み合わせて開発した。初音ミクなどのバーチャルキャラクターが体験者の声やスマートグラスのカメラが捉えた物体に反応し、さまざまなリアクションをしてくれる。
例えば「こんにちは」と挨拶すると、ミクも「こんにちは」と返す。ユーザーが自転車に視線を向けるとミクは自転車に近づき「乗りたいな〜」とぼやく。デモでは試験的にスマートホームサービス「au HOME」とも連携、「電気を消して」とお願いするとミクは「はーい」と返事をして照明を落としてくれたり、かと思えば勝手にテレビの電源を入れたりもする。
ブース担当者によれば「『かわいい』『好き』などの言葉をかけると喜ぶが、傷つける言葉ばかりかけると嫌われてしまう。同じ『写真を撮らせて』というお願いでも気分が良いとたくさんポーズを取ってくれるが、気分が悪いと『やだよ』と断られてしまう」という。記者も実際に試してみたが、数回褒めた程度では写真撮影には応じてもらえず、無視されてしまった。残念。
KDDIによると、バーチャルキャラクターAIは、スケジュールは未定だが、製品化を目指して開発を進めているという。初音ミク以外のキャラクター展開も検討する。
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