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エイベックス、「音声AR」で新事業 位置情報とコンテンツを連動

» 2018年05月10日 17時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 エイベックスは5月10日、音声を使ったAR(拡張現実)コンテンツなどを開発する新事業「SARF」(サーフ)を始めると発表した。観光ガイドや現実を舞台にしたゲーム、視覚障害者向けの音声ガイドなど企画・開発する他、個人の音声ARコンテンツ制作をサポートする仕組みも整えるという。

photo 「こちらの映像はイメージです。実際には、視覚情報として現実が拡張される訳ではなく音声によって心の中で現実が拡張されるサービスです」(同社)

 SARF(Sound Augmented Reality Factoryの略)は、4つの事業カテゴリーで展開。「観光事業」では、観光地での多言語ルート案内や観光ガイドを含む音声ナビゲーションシステムなど、Wi-Fiやビーコンを活用して位置情報と連動するシステムを旅行会社や地域の観光協会と共同で企画・開発する。

 「ゲーム開発事業」は、現実の街を舞台に音声や音楽を使った宝探しやスタンプラリー、ロールプレイングゲームなどをゲーム会社や広告会社と企画・開発する。

 「ノーマライゼーション事業」は、音声コンテンツと交通信号、横断歩道、点字ブロック、盲導犬と組み合わせ、視覚障害者が安全に外出できるような環境の実現を目指す。

 「SARFコンテンツ創作の民主化事業」では、個人クリエイターのコンテンツ創作をサポートする。著作物(楽曲)の利用サービスや、音声ARコンテンツの制作から配信までを容易にするアプリを開発するという。

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 エイベックスは、事業パートナーとしてパナソニック(技術)、AWA(音楽)の他、伊勢丹新宿本店、大阪芸術大学アートサイエンス学科、サイバーエージェント、渋谷区観光協会、Downtown Music Publishers、東急エージェンシー、博報堂DYメディアパートナーズ、MARK STYLER(コンテンツ)を挙げている。

 まずは第1弾コンテンツとして、渋谷区を舞台にした音声ARコンテンツを「AWA」(定額制音楽ストリーミングサービス)で18日に配信する。GPSやビーコン、Wi-Fiなどを活用し、位置情報と音声ガイド、音楽が連動するという。

 「AWALK TOKYO散歩 by 大塚 愛」は、歌手の大塚愛さんによる楽曲や音声ガイドに従いながら、表参道交差点から渋谷駅までのルートを観光案内やトリビアを聞きながら楽しめる。他にも、渋谷駅からラフォーレ原宿までのルートや、渋谷スクランブル交差点に面した商業施設内で2人1組で遊べる音声ゲームコンテンツを配信する。

 「音声ARを社会ソリューションとしてエコシステム化し、利用価値を高めていくために、さまざまな企業や団体、行政機関と連携していく」(エイベックス)

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