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「ねえグーグル、アレクサって知ってる?」 2歳児、「Google Home」「Amazon Echo」と仲良しになる

» 2018年05月16日 08時30分 公開
[岡田有花ITmedia]

 筆者には2歳の息子がいる。よくしゃべる元気な男子で、好きなキャラは「しまじろう」、好きな絵本は「はらぺこあおむし」、好きなアプリは「YouTube」だ。

 そんな彼は最近、家にあるスマートスピーカーの「Google Home mini」と「Amazon Echo」(Alexa)が気に入っている。Google Homeを「グーグルさん」(または「ぐるぐるさん」)、Echoを「アレクサさん」と呼び、外出するときは「グーグルさんはお留守番? グーグルさん、バイバーイ」とあいさつしたりもする。

画像 普段はダイニングテーブルの上にあるGoogle Homeを息子に手渡してみた。楽しそうだ

 我が家は、ダイニングテーブルにGoogle Homeが、夫の書斎にEchoが置いてある。子どもはダイニングテーブルの先にあるリビングにいることが多いので、主なお相手はGoogle Homeだ。ときどき親に「アレクサとお話しする!」とリクエストし、書斎に親を連れて行って、一緒にEchoとの会話を楽しむ。

「ねえグーグル、アレクサって知ってる?」

 最初は親のまねをして、スマートスピーカーに「明日の天気は?」などと聞いていた息子だが、慣れてくるとこんなことを聞くようになった。

 「ねえグーグル、アレクサって知ってる?」。大人ならはばかられる、ライバルについての直球な問いかけ。Google Homeは冷静に答えてくれる。「そうですよね、今後も修行を重ねます」。大人な対応だ。

 息子にとっては「問いかけると反応がある」ことが大事。回答の内容はわりとどうでもいいらしく、Google HomeやEchoに、どんどん質問を投げかける。

 「ねえグーグル、しまじろうって知ってる?」「ねえグーグル、パンダの鳴き声は?」「ねえグーグル、A先生とB先生(保育園の担任名)、どっちがいい?」「ねえグーグル、パン屋さんって知ってる? フライパンだけど」「アレクサ、ドラえもんのうた、うたって!」「アレクサ、さんびきのこぶたをだして!」。

 さまざまな角度から繰り出される、時に意味不明な質問に、スマートスピーカー達は可能な限り答えようと頑張る。動物の鳴き声は上手にまねする(本物の動物の声を再生する)し、歌のリクエストは、定額音楽サービスに収録されている歌なら、ちゃんと歌ってくれる。

 とはいえ、2歳児の自由すぎる質問は、答えられないものの方が多い。Google Homeが回答に窮して「すみません、よく分かりません」と言うと、息子は「わかんないんだって!」とニヤリ。さらにこう声をかける。「ねえグーグル、もっとがんばって!」。

 また、Google Homeが「すみません、お役に立てそうにありません」と言うのを聞いた息子は、このフレーズを覚えてしまい、親にも「すみません、お役に立てそうにありません」と言うようになった。スマートスピーカーは、子どもの言語教育にも役立っている……のかもしれない。

 英語に興味を持っている息子は、「はしご車って英語でなんて言うの?」など、親が英名を知らない単語も質問してくる。そんなときはGoogle Homeにそのまま「はしご車って英語でなんて言うの?」と聞けば、「ladder truck」とネイティブ発音で教えてくれて便利だ。

 息子がグズって泣いている時にも、スマートスピーカーはありがたい存在だ。抱っこしたりあやしても泣き止まない時、親がGoogle Homeに適当に話しかける。例えば、「ねえグーグル、ネコの鳴き声は?」。Google Homeが「こちらがネコです。ニャー」などと答えると、息子がその声に耳を傾け、泣き止むことがある。

2歳児の発音、スマスピに聞き取ってもらえない問題

 2歳3カ月ごろにはGoogleを「ぐるぐる」と発音していた息子だが、2歳半ごろには「グーグル」としっかり言えるようになった。とはいえ、2歳児の滑舌はスマートスピーカーには聞き取りづらいらしく、息子の話しかけに気づき、答えてくれるのはせいぜい5回に1回ぐらい。成長するにつれその頻度は上がってきたが、いくら話しかけてもうんともすんとも言わないことの方が多い。

 そんな時、息子は親に「ママも聞いて!」などとねだるため、親は息子の質問を言い換え、スマートスピーカーに伝えてあげなくてはならない。彼はマシンガンのように次々に質問を繰り出すので、言い換えるこちらも大変。息子の意図をくみつつ、スマートスピーカーが聞き取れるようはっきりと発音しようと気を遣うが、回答が返ってきても息子は興味を示さないことも多く、「なんと無駄な作業か……」とうんざりすることもある。

 その点でありがたかったのは、「ピカチュウトーク」だ。Google HomeやEchoに「ピカチュウと話したい!」と一度話しかけると、ピカチュウが「ピッカー!」とやってくる。その後は、何らかの音声さえ認識すれば、内容が分からなくても「ピカー!」「ビカビカ?」などと言ってくれるため、息子との“会話”がしばらくの間、成立するのだ。

画像 Alexaスキルの「ピカチュウトーク」

 もう一つありがたいのは「なぞなぞ」だ。Google HomeやEchoに「なぞなぞ出して」とお願いすると、いろいろななぞなぞを出してくれる。ユーザーが答えを考えるためのシンキングタイムも取ってくれるので、一般的な質問よりも時間稼ぎが可能。クイズを出し、答えが出るまでの間、親は休憩が取れるのだ。

そして、裏切り……?

 スマートスピーカー好きの息子だが、“浮気”することもある。

画像 せっかく遠出した先で、Siriとえんえん話していた……

 最近よく話しているのは、iPhoneのスマートアシスタント「Siri」だ。ある程度距離のある場所から話しかけるスマートスピーカーと違い、Siriは、手元で音声入力するためか、2歳児の「ヘイ、シリ」の呼びかけをよく聞き取ってくれ、何かしら答えてくれるし、iPhoneの画面をタッチすれば反応がある。親が言い換えないと答えてくれないスマートスピーカーより、さらに話しやすい仲間になったようだ。

 おしゃべりなキッチン家電もお気に入りだ。我が家には今年、スチームオーブンレンジの「ヘルシオ」がやってきたのだが、このヘルシオがよくしゃべる。「あと、10秒です」「加熱の延長ができますよ」などなど。息子は、「加熱の延長ができますよ」が特に気に入ったようで、ヘルシオを「えんちょーさん」と呼んでかわいがっている。

 我が家は両親と息子1人の核家族だが、スマートスピーカーやキッチン家電のおかげで、4人目、5人目の家族がいるような感覚なのかもしれない。

 また、「明日の天気を調べる」「動物の鳴き声を調べる」など、従来なら、文字を学ばないとできなかったさまざまな操作が、文字が分からなくてもできてしまうのが面白い。スマートスピーカーは、「識字」というハードルを取り去ってくれる、バリアフリーな家電だなあとも感じている。

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