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» 2018年05月19日 08時00分 公開

カシオがもたらしたデジカメの歴史を振り返る (3/4)

[荻窪圭,ITmedia]

2008年「ハイスピードEXILIM」の誕生

 さて2008年、久々にカシオが動く。

 ソニーが開発したまったく新しい「超高速センサー」を搭載し、いちはやく「超高速連写」(シャッターを押す前から記録してるパスト連写とか、秒60コマの超高速連写とか、ハイスピード動画とか)をウリとしたカメラを発表。

 「EX-F1」である。

 大きめのボディに価格も10万円を超えていたが、「次の未来が来たな」感満載のデビューとなった。

「EXILIM EX-F1」。秒60コマの撮影やパスト連写が可能な超高速デジカメだった
EX-F1のレビュー用に撮影した飛び立った瞬間のカワセミ。秒60コマ+パスト連写のおかげで撮れたカット

 今となってはスマホですらハイスピード動画を撮れるのだからおそろしい。

 EX-F1の技術は2009年に「EX-FC100」というコンパクトサイズの超高速カメラという形で結実する。

 これは特筆すべき機種としてチェックしておきたい。

「EX-FC100」。超高速連写を一気に身近にした記念すべき1台。2009年発売

 そして「Hi-Speed EXILIM」シリーズが誕生し、その後の主力モデル「ZRシリーズ」となるのである。

 最初のZRは2011年の「ZR100」。1200万画素で12.5倍ズーム。その後のZRシリーズはほぼこれがベースになる。2011年のことだ。

2011年発売の「EX-ZR100」。ちなみに2013年の「ZR1000」からモニターがチルト式になる

 かなり端折ったのでスルーしちゃったシリーズもあるけれども、おおまかにいえばこんな感じだ。

2011年 日本では売れなかったが一部で大ヒットとなったTRシリーズが誕生する

 さて「iPhone 3G」の登場が2008年。徐々にその影響がコンパクトデジカメの市場に影響していくことになるわけで、ZR100が登場した2011年はすでにその萌芽がみえはじめていたころだ。

 その年、カシオはまたもや原点回帰を果たした超絶モデルを発表する。

 TR100である。

 超広角の単焦点レンズを搭載した薄型の自撮り対応カメラ。

 回転するディスプレイに加えてフレームを開くとぶら下げたりその辺に置いたり手に持ったりできて、文章だとよく分からないので発表会の写真をどうぞ。

 このようにモニターが回転したりフレームを動かしたりしていろんな撮り方ができるのである。

 これ、めちゃ面白いのだけど売れなかった。単焦点モデルにしては価格が高めで、自撮りしない人には使いどころが難しかったのかもしれない。

 でも、香港で火がついた。

 これ、デフォルトで美肌機能(ビューティー機能)がかかる仕様になっていて、香港の人気モデルがそれで撮った自撮り写真をどんどん公開したところ、あのカメラはなんだってんで爆発的なヒットとなったのである。自撮り文化が強い東アジア方面でネットをきっかけにヒットしたのだ。

 日本の在庫も全部観光客が買っていったといわれるくらい。

 あまりの人気に、後継機は日本で発売されず(1回だけちょっと発売されたけどあっという間に終わったとか)、東アジアでは女子向け高級コンデジとして定着したのである。

 なんとも面白い。後継機のデザインもどんどん女子向けに変わっていった。

2014年カメラが分離する「FR100」

 2014年、またもやカシオがデジカメ市場に挑戦する。TRを超えたフリースタイルを実現したFRシリーズだ。

2014年の新製品発表会ににて。「EX-FR10」
このようにカメラ部を自撮り棒につけて手元のモニターを見ながら撮る、なんてのは得意技

 これがもう究極のフリースタイルというか、初めてカメラに液晶モニターを付けたカシオが、とうとうカメラとモニターをワイヤレスで切り離しちゃったというか。遠隔自分撮りカメラというか。

 アウトドアで自由に撮影を楽しもうってことで、カメラ部をおでこにつけるバンドとか、高所から撮るための(ドローン風の絵になる)長いロッドとかいろいろ出て楽しいカメラで、なおかつ防水で、魚眼レンズの「FR200」まで出た。

 Bluetoothでカメラ部とモニター部が常時接続されるというのがミソだ。省電力Bluetoothをうまく取り入れた格好である。

 ただ新しすぎて定着するには至らなかったようだ。

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