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背面モニターはチルト式か、バリアングル式か(1/6 ページ)

» 2018年07月03日 13時52分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 カシオが初めて搭載したデジカメの背面モニター。

 普通は「液晶ディスプレイ」とか「液晶モニター」というけど、かつて液晶じゃないディスプレイを採用したカメラ(例えばオリンパスの『E-P3』やソニーの『Cyber-shot TX100V』などが液晶ではなく有機ELディスプレイを搭載してた)もあったので、個人的には「液晶」と呼ぶのにすごく抵抗があるわけで、こういうときは液晶でもOLED(有機EL)でも通用するように「背面モニター」と呼ぶことにしてるのである。

実は液晶ではなくOLEDを使っていたCyber-shot TX100V。TX300Vでも採用したが、その後は続かなかった。最近はスマホ用ディスプレイにOLEDが使われ始めている

 で、その背面モニターなんだけど、固定式と可動式の2種類がある。今回は可動式の話。

デジカメ黎明期は回転式レンズが強かった

 実はデジカメ黎明期……だいたい21世紀初頭くらいまでは3つの方式があった。

 一つはクラシカルなモニター固定式。一つはレンズ回転式、もう一つはモニター可動式だ。

 レンズ回転式はもうすっかり見なくなったけど、カシオの「QVシリーズ」の他、ニコンの「COOLPIXシリーズ」や、ソニーの「Cyber-shot Fシリーズ」が代表的だった。リコーや京セラも出してたかな。

 もう知らない人も多そうなので、その話から。

 レンズ回転式はレンズが正面を向いたり上を向いたり、くるっと回転させて自撮りしたりできる方式。モニターは動かないけどレンズが動くので可動式モニターの一方式と思っていい。

 これのいいところは、常にグリップが安定していること。

 可動式モニターで自撮り対応ってけっこうあるけど、カメラを自分に向けたとき、どうやって持てばいいのか分からないじゃない。シャッターボタンも押しづらい。

 レンズ回転式なら普通にカメラを持ったままレンズだけ回転するので自撮り時もグリップし直さなくてよくて撮りやすかった。

レンズ部が回転するユニークなデザインの初期Cyber-shot。これはレンズ回転式Cyber-shotの(たぶん)最後のモデル「DSC-F88」。このデザインで3倍光学ズームが入ってた

 さらに、ローアングルで撮りたいときも右手手首は変な角度にならないので持ちやすい。モニター可動式だとこんなことになるのだ。

モニター可動式でローアングル撮影をすると、モニターは傾いてもカメラ本体は垂直に保たなければならないので、無理に低い位置から撮ろうとすると手首が折れそうになる
ちなみに右手を持ちかえて親指でシャッターを押すようにすると撮りやすいが、それ以外の操作をしづらい、撮影時に手ブレしやすいなどの欠点もある

 ではレンズ回転式だとどうか。実に手が楽なのである。

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