ローソン子会社のローソン銀行が9月10日に開業した。10月15日からATM事業とリテール事業を開始する。ATM事業の機能拡大を図る他、個人・法人向けの預金口座(普通・定期)とインターネットバンキングサービスも提供する。2019年1月にはクレジットカードも発行予定で、買い物のお釣りを預金できるサービスなどの提供も検討しているという。
ローソンの竹増貞信社長は、銀行業に参入し銀行口座を提供することで「現金(キャッシュ)の利用もキャッシュレスの利用も下支えできる」と話す。ローソン銀行では、すでに収益化できているATM事業を軸にキャッシュレス決済など新分野に投資して事業を拡大する考えだ。
ローソンでは、商品バーコードを客がスマートフォンのカメラで読み取ることで店内のどこでも決済できる「ローソンスマホペイ」の導入を進めているが、ローソン銀行ではそれとは異なる新たな決済サービスも検討しているという。
「キャッシュレス社会であっても、根っこに銀行口座があるのは変わらない。ATMやスマホペイメント、クレジットカードなども銀行口座に紐付いている。そこに入ってくる顧客の決済に関する情報をベースにすることで、効率的で低コストのサービスを提供できるのではないか」(竹増社長)
また、ローソン銀行の山下雅史社長は「キャッシュレス決済にはいろいろな仕組みが乱立しているが、ローソン銀行では90を超える金融機関とのATMネットワークを生かし、新しい決済の仕組みを提供したい」と話す。例えば「スマホアプリに銀行口座を登録するだけでキャッシュレス決済が可能になるような仕組み」を検討している他、キャッシュレス決済で小売業者にかかる手数料の軽減にも取り組んでいくという。
ローソンは3月に銀行業へ新規参入する計画を発表し、共同ATM事業を行っていた子会社ローソン・エイティエム・ネットワークス(LANs)を銀行業の設立準備会社に統合した。その後準備会社をローソン銀行へ商号変更。8月10日には金融庁から銀行業の営業免許を取得していた。
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