自動車を手放すときに、下取りや売却という手段を選ばれる方が大半を占めると思いますが、ここでの価値(買い取り額)が「色」で変わるのです。ホワイトやブラック、シルバーという色は多くの方が選ぶので、それ以外の色と比較すると相対的にニーズが高く、価値が高まるというロジックです。
例外的に、車によって赤や青といった色が人気となるケースもありますが、いずれにしても色の選択が後ほどの売却時にかかわってくると考えれば重要なテーマとなりそうです。
一方で、PCの場合はCPU、メモリ、ストレージなど、部分的にカスタマイズできる箇所があったとしても、ベースとなるシャシーは大抵の場合1つか、多くても2、3色のカラーリングしか選べないケースが多いようです。
このように、選択肢が少なくなる一つの理由に「需要の予測」が関係します。
多くのメーカーでは、シャシーの部分は事前に生産された在庫から消費者が選ぶ方式、すなわち「需要予測生産方式」を採用することが多いため、需要が分散してしまうと予測の難易度が高まってしまいます。
そこで、多くの人に選ばれる可能性が高く、かつ実用的なものを絞り込んでいくとブラックやホワイト、シルバーといったカラーに落ち着くということになります。
ここを逆手にとって、他の製品との差別化を図るためにあえてゴールドやピンク、ブラウンといった特徴的なカラーを投入し、製品のイメージカラーとしてコンセプトを打ち出すケースも出てきました。
グローバル化の進む現代では、今まで重要とされた協調性や均一性よりも、個性や多様性を認める考え方(ダイバーシティー&インクルージョン)が再認識され、製品にも反映する企業が増えてきました。
その重要性については、ビジネス誌やニュースで取り沙汰されているのでご存じの方も多いかもしれません。さらにカフェなどの移動先でPCを使うことも増えているので、他者から「見られる」という視点でも、クルマと同じように個性的なカラーを選ぶことが理にかなった選択肢といえるかもしれません。
個性を主張するだけではなく、さらにリセールバリューまで高まるようであれば、ユーザーとしてはうれしいですよね。なかなか難しいチャレンジですが、メーカーの担当者としてはこれを両立できる製品をお届けできればと思っています。
著者:白木智幸(しろき・ともゆき)
日本HP PC&タブレットエバンジェリスト。パーソナルシステムズ事業本部に所属し、法人向けタブレット製品のプロダクトマネージャ(製品企画)とビジネスプラン(販売計画)を担当。PCやタブレットの楽しさや素晴らしさを広くお伝えすることを通じ、グローバル化の進む現代でよりよい働き方を実現するためのエッセンスを提供することがテーマ
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