トイレの天井にセンサーを設置し、急病などで動けなくなった人や忘れ物を早期発見する――NEXCO中日本が10月25日、そんな仕組みを開発したと発表した。2019年度から、忘れ物が多いサービスエリア、パーキングエリアなどに随時導入していく。
天井のセンサーが人や物の動きをシルエット(輪郭)で検知する。個室ドアの開閉信号と連動し、入室後に一定時間が経過しても人の動作に全く変化がなければ「倒れ込み」と判定する他、退室後に一定の大きさ(10×5センチ程度)の物が残っていれば「忘れ物」と判定する。物体の推定にはAI(人工知能)技術を活用し、読み取り精度の向上を見込む。カメラのように画像を撮影する必要がなく、プライバシーも守られるとしている。
6月から鞍ヶ池パーキングエリア(愛知県豊田市)の男子トイレ2カ所に試験導入したところ、「忘れ物を漏れなく発見できた」(同社)という。検証中、動けなくなった人はいなかった。トイレットペーパーのかすなど、検知しなくてもいい物を検知してしまう場合もあり、精度向上に努めるとしている。
引き続き、同パーキングエリアで機能を検証しながら、人が倒れ込んだり、忘れ物があったりした場合、周囲の人に知らせる専用モニターや「忘れ物はありませんか」などと呼び掛ける音声案内装置の開発を進める。
開発には木村技研が協力している。
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