大阪大学は11月14日、より高い精度で表情の変化を作り分ける子供型アンドロイドロボットの頭部を開発したと発表した。同じ笑顔であっても、ぱっと開く笑顔や恐る恐る出す笑顔など、ニュアンスを含んだ表情の再現が可能になるとしている。
アンドロイドの表情は、柔らかい顔の内部に搭載された機構の動きを操ることで作り出している。しかし顔表面の変形を精密に操ることができず、表情の作り分けは大まかにしか実現できなかったという。
そこで、同大学院工学研究科の石原尚助教と浅田稔教授(創発ロボティクス研究室)らの研究グループは、アンドロイドの内部機構が動くとどのように顔表面が動くかを細かく計測。顔表面にモーションキャプチャー用のマーカを多数貼り付け、機構と顔表面の動きを追い、表面の操りやすさと変形の特性を機構ごとに評価した。
その上で、笑顔の表現に適した機構から操りやすい3つの機構を選別。それらを制御することで、無表情から笑顔に至る5パターンの表情変化を作り分けた。
研究チームは「アンドロイドロボットの表現力が飛躍的に向上する」「表情のニュアンスが人にどのように伝わり、コミュニケーションをいかに変えるかを調べる研究が可能になる」と期待を寄せている。
研究成果は、国際論文誌「Frontiers in Robotics and AI」(電子版)に10月23日付(日本時間)で掲載された。
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