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遠隔地の体験共有する“分身”ロボットの可能性 旅も仕事も「今すぐここで」 特集・ビジネスを変える5G(1/3 ページ)

» 2018年11月29日 13時00分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 「ドアを開けた瞬間、別の場所に行けたらいいのに」――そんな風に、どこでもドアやテレポーテーションの実現を願ったことはないだろうか。人間が瞬時に移動するのはまだまだ難しそうだが、「行きたい場所を、今すぐに体験すること」なら近い将来に実現するかもしれない。離れた場所で、自分の“分身”のように動くロボットによって。

 分身のように動くロボットとは、テレイグジスタンス(遠隔存在)ロボットのこと。VR HMD(仮想現実ヘッドマウントディスプレイ)やトラッカーで検知した操作者の動きを、クラウド経由でロボットに反映し、あたかもその人が遠隔地にいるかのように行動させる。

photo 分身のように動くロボット

 逆に、ロボットがカメラやマイクで見聞きした様子や、センサーで触れたものの質感や温度も、操作者はVR映像や触覚デバイス経由でリアルタイムで感じられる。つまり、旅行したいと思っている場所にロボットさえあれば、人は別の場所にいながら旅行を体験できるというわけだ。

photo ロボットの頭部にはカメラとマイク、指先にはセンサーを搭載している

 KDDIが出資しているベンチャーのTelexistence(東京都港区)も、テレイグジスタンスロボットを開発している企業の1つだ。今年9月には同社のロボットを活用し、父島(東京都小笠原村)旅行を疑似体験できるイベントを実施した。海岸から海を眺めたり、ウミガメに触れて餌をあげたり……といった旅行の“下見”をロボット経由で行ったところ、多くの体験者が「次は実際に父島に行きたい」と答えたという。

photo 体験イベントの様子(KDDIのイベントレポートより)
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