他にもアイテムドリップ(アイテムの生成)、宝箱の解錠、装備やアイテムを買うショップの存在など、ゲームを楽しむための要素は盛りだくさん。ちなみに筆者はランク80を超えたが、ランク3で覚える「予約ぬり」機能をつい最近まで知らなかったくらいだ。序盤で全てを把握するのは難しいが、個人的に印象的なのは「触っていて気持ちいい」という感覚だ。
この気持ちよさは、「音」(効果音)によってもたらされる。モンスターを斬ったり、街を塗ったり、地面から草木が生えたりしたときの視覚的なエフェクトと、爽快感を倍増させる効果音。とにかくやるべきことが多いので、プレイ中は絶えず効果音が鳴り続けているイメージで、電車やバスで移動しながら街を塗るとものすごい勢いで街が“ファンタジー化”する。無音プレイだと楽しさは半減してしまうだろう。
筆者がIngressやポケモンGOで挫折してしまった理由の1つに「ゲームを楽しむには、実際に特定の場所に行かないといけない」というものがあった。位置情報ゲームなので移動しないと遊べないのは当然なのだが、マクドナルドや公園などに集まって知らない人たちと肩を並べてプレイするのが気まずく感じることもあった。
テクテクテクテクはその名前に反し、「歩かなくても楽しめる」のがポイントだ。基本的には実際に歩いた街区を塗っていくのだが、ランクアップすると使える「となりぬり」機能があれば、歩かなくても隣接するエリアをどんどん塗っていける。
ただし、となりぬりにはTTP(テクテクポイント)が必要。毎日の移動やモンスターとのバトルなどでTTPをためていくと、延々とマップを塗りつぶせる。各地域を100%塗りつぶすと、毎日TTPや経験値、GOLD(ゲーム内通貨)などのボーナスを受け取れる。つまり、街区の少ないエリアを見つけてたくさん塗りつぶしておけば、効率的に不労所得が手に入るのだ。敵モンスターとのバトルも遠隔で行えるため、なかなかやめ時が分からない。
ただし、プレイヤーのレベルやランクが上がるにつれて敵モンスターも強力になるため、やはり歩いたり戦ったりしないと立ちゆかなくなる。これはRPGの宿命だろう。
ポケモンGOも、特定の地域にしかいない“地域限定ポケモン”がいるため、海外旅行などをしたときはアプリを起動するモチベーションが高まる。テクテクテクテクの場合は、ご当地モンスターに会いたいというより、純粋に「街を塗りつぶしたい」という欲求で遊んでしまう。ちなみに、ゲームが進んでいくと47都道府県に封印されたご当地ボスたちが登場する演出もある。
また自宅や勤務先のマップを見ると、「自宅とオフィスを往復するだけで、本当に同じ道しか歩いてないんだな」ということに気付かされる。「日本1%」なんてスケールで見たときには「私は日本の面積のわずか1%しか訪れたことがないのか……」とよく分からないむなしさを覚える。
モンスターと戦う、宝箱を拾う、装備をそろえる、アイテムを生成する――他のやりこみ要素を脇に置いておいても、「全国を踏破する」(となりぬりも含む)というのは、それなりに壮大な目標で面白い。年末年始に田舎へ帰省するときも、普段とは違う街区の景色を見られるのが今から楽しみだ。
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