ITmedia NEWS >

カシオの新型スマートウォッチ「WSD-F30」をスキー場で体験してきた体当たりッ!スマート家電事始め(2/3 ページ)

» 2018年12月19日 13時33分 公開
[山本敦ITmedia]

スキー・スノボのナンバーワンアプリ「Ski Tracks」を体験

 今回のプレスツアーでは、群馬県沼田市のスキー場「たんばらスキーパーク」のゲレンデを滑りながら、英CoreCodersが開発しているスキー・スノーボードアプリ「Ski Tracks」のWear OSバージョンを体験した。

PRO TREK Smartシリーズが注目アプリとしてレコメンドする「Ski Tracks」を体験した
Ski Tracksの魅力を解説するカシオ計算機の風見貴史氏

 Ski Tracksはモバイルアプリとして歴史の古いサービスであり、iPhone 3Gが発売された直後の2009年にiOS版をリリース。現在までに、世界中に約360万人のアクティブユーザーを抱えるスキー・スノボアプリの超定番だ。各時代の最新モバイルOSのプラットフォームに合わせた開発が進められてきたが、駆動時のバッテリー消費が少なく、さらにモバイル端末のセンサーと連動しながら正確なデータ取得・解析が正確できるところに人気の秘密がある。オリンピックを狙うトップクラスのアスリートにも多くの愛用者がいるという。

アプリ画面でスキー・スノボを滑って計測した様々なデータが一覧できる。滑った速度や移動した高度の推移がグラフ化できる機能も面白い

 Wear OSバージョンは、カシオのPRO TREK SmartとCoreCodersが二人三脚で作り上げたアプリだ。Wear OS搭載のスマートウォッチであれば他社製品でも利用は可能だが、PRO TREK Smartと一緒に使うと「よりベターな体験」が得られるという。カシオ計算機の海外営業統括部時計部 リスト機器推進課長である風見貴史氏は「CoreCodersがアプリ開発のリファレンスとしてPRO TREK Smartシリーズを採用しているので、連携の正確さと安定感は他の追随を許さない」と胸を張る。

 Ski Tracksはデータの計測を開始する前にウォッチからアプリを起動して「開始」アイコンをタップすると、あとは自動で滑走と停止の状態を検知して、滑走時のみに移動距離とスピード、高度移動などのデータを記録してくれる。ゲレンデを離れる時に記録を終了するだけで、あとは細かなデータの記録はアプリにおまかせすればいい。ペアリングしたスマホのアプリ上では詳しいグラフデータとともにサマリーを時系列で表示できる。

Ski Tracksオリジナルのスキーリゾートのマップデータを7000件以上収録

 CoreCodersは世界7018件のスキーリゾートをカバーするオリジナルの地形データベースを持っているので、Ski Tracksアプリを使うとスマートウォッチなどのデバイスに内蔵されている高度計などのセンサー情報を組み合わせ、より正確に移動距離やスピードを割り出す。ビデオ通話でインタビューに応じてくれたCoreCodersのCEO、Steven Wilson氏は、「スキーやスノーボードなどウィンタースポーツだけでなく、山のすべてを楽しんでもらいたい」という思いで、これまで約10年もSki Tracksアプリのブラッシュアップを続けてきたという。

CoreCodersのCEO、Steven Wilson氏とのビデオ通話によるインタビューの機会も設けられた

 Wilson氏は何よりSki Tracksアプリをゲレンデで安全に使うことの大切さを説いた。スマホ版、Wear OS版のSki Tracksアプリは、ともに滑走中はアプリからデータをモニタリングできないようになっている。記録のチェックは必ずいったん停止して見るためだ。Wilson氏もマナーを守って安全にSki Tracksによるウィンタースポーツを楽しんでほしいと呼びかけた。

 ということで、筆者も10年以上ぶりにスキー板に乗ってWSD-F30とSki Tracksのベストマッチを体験してみた。筆者は手首が細いので通常のリストバンドでもウェアの上から装着できてしまったが、オプションのクロスバンドなら少し厚手のウェアでもしっかりと固定できそうだ。タッチパネルは操作に対する感度が良く、ベゼル側面のボタンもアナログ時計に近いスムーズなクリック感が得られた。

10年ぶりにスキー場に立った筆者も最新の“PRO TREK Smart”でSki Tracksを体験

 Ski Tracksアプリはいったん記録をスタートしてしまえば、滑走するたびに操作する必要がないので体を動かすことに専念できるところが良かった。様々なデータを記録できるアプリだが、やはり一番盛り上がれるのは「最高速度」だ。この日のプレスツアーに参加したメンバーの中には時速70キロメートルを超える最速タイムを打ち出した強者もいたようだが、時速48キロメートルしか出せなかった筆者にとっても滑るたびに上達意欲が増してくる楽しいアプリだった。頻繁にスキー・スノボを楽しむ方は滑走距離の通算記録を確かめたり、ゲレンデの斜度などのデータも見比べながら記録を振り返ってみるのも面白そうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.