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「多すぎる」 全73種類「刀剣乱舞」歩数計に注文殺到 工場に“通い詰めた”開発担当者の意地(2/2 ページ)

» 2018年12月27日 07時00分 公開
[片渕陽平ITmedia]
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毎月1〜2回のペースで秋田工場に通う

photo 「紋を探す癖がつきました」と笑う久保さん

 豊富なラインアップの分だけ、苦労は多かった。久保さんは9月から毎月1〜2回のペースで本社(東京都板橋区)から秋田工場へと通っている。色の再現性にこだわりがあるからだ。

 歩数計の中央には、刀剣にちなんだ紋が描かれている。この家紋の周囲の色は、73種類全て異なる。版権元から提供されたデータを基に、原作の色を忠実に再現するため、歩数計のデザイナーと色を照らし合わせる作業が続いた。

 歩数計は、本体に透明のカバーが付いている。紙に印刷された色と、このカバー越しに見た色は、見え方が異なる場合もある。試作品とのにらめっこを繰り返し、色を修正した上で、版権元に監修の依頼を出す。版権元のゴーサインが出なければ刷り直しだ。73振りをコンプリートするまで、秋田工場に出向く。12月現在も調整は継続中という。

 「『病気になったから』『ダイエットしないといけないから』というように、必要に迫られないと健康機器を購入しない人もいる」――久保さんはそう話す。久保さんは、これまでもタニタの既存製品をベースに、他の企業とコラボする案件を手掛けてきた。健康に関心が低い人にいかにアプローチするかは、同社にとって課題だ。苦労は続くが、新しい顧客に届いたという意味では「収穫が多かった」と久保さんは笑う。

 刀剣乱舞では10月以降も、新しいキャラが追加されている。ラインアップの拡充は「前向きに検討している」という。

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