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「ハッタリだけでボロ儲け」 “恥ずかしい写真”で恐喝、セクストーションスパムの手口(3/3 ページ)

» 2019年01月30日 07時00分 公開
[高橋睦美ITmedia]
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 ランサムウェアなど他のマルウェアと組み合わせたり、世界中で流出しているさまざまな個人情報を悪用したりする恐れも考えられるそうです。例えば、「あなたの年金番号が流出しています、変更のために金銭を送ってください」といった具合に他の情報が悪用されれば、信じて金銭を支払ってしまう人がいてもおかしくはありません。

 大沼氏は対策の1つとして金銭の流れに注目し、「メール本文に送金先として記されたBTC情報をスパム判定に利用してみてはどうだろうか」とカンファレンスに参加したセキュリティリサーチャーらに提案しました。試しにいくつかのBTCアドレスを収集し、パターンマッチングに利用するYaraルール(マルウェアを検知するプログラム)を作成してみたところ、サンプルに対し70%以上を検知できたそうです。大沼氏は「工夫次第で検知率の向上が見込めるのではないか」と述べ、早期の情報共有を通じてこの種の恐喝を防げるのではないかと呼び掛けていました。

photo 写真はイメージです

 今回の講演で取り上げられたスパムメールは、「PCにマルウェアを感染させ、性的な画像を収集した」と脅すものでしたが、この先、スマートスピーカーや監視カメラといったIoT(Internet of Things)機器が広く普及すれば、それらもまた同様に恐喝のネタとして使われる可能性もあるでしょう。IoTが家庭や日常生活に密着すればするほど、それを盗み見られたときの心理的ダメージは大きくなります。

 まずは、こんな風に人の心理につけ込む卑劣な手口があることを知り、もしそうしたメールを受け取ったとしても条件反射的に行動しないよう、一呼吸置いて考えることが大切です。また、PCはもちろん他の機器についても、認証やソフトウェアのアップデートといった基本的な対策を常日頃から実施することも、スパムメールを受け取ってもうろたえずに済む自信の一つになるでしょう。

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