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Tカード情報の“令状なし提供”、本当に監視すべき相手は?ITりてらしぃのすゝめ(1/2 ページ)

» 2019年01月30日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 これまで格安SIMを利用していたのですが、お昼時の通信がつながらず業務に支障が出るようになり、NTTドコモに舞い戻ってきました。毎月の携帯料金は倍以上になるので、何とかしてそれを下げようとすると、自宅の光回線を「ドコモ光」にする必要があります。これは現在使っている回線よりも安いため、えいやと切り替えをしてみました。

 さらに調べると、どうやらドコモのクレジットカート「dカード GOLD」を使った方がお得なようです。結果として、携帯電話、光回線、決済情報含め“ドコモ経済圏”にどっぷりつかることになってしまいました。

 ドコモは「dポイント」という共通ポイントシステムを強力にアピールしており、これを使ってポイントをためると結果として携帯電話料金が(やや)下がる様子。「それも仕方ないか」などと思っていた所で、「ポイントシステム」を巡る大きな“事件”が起きました。

連載:ITりてらしぃのすゝめ

「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。

(編集:ITmedia村上)

警察には“令状なし”に情報を提供

 2019年1月、共通ポイントカード「Tカード」を提供するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が捜査機関に対し、裁判所の令状なしで会員情報や購入情報を提供していたことが話題になりました。その当時、会員規約にはその点に関して明示した文章はなかったものの、この報道が明らかになった後に明記され、提供に関しては認めるコメントをしたことが大きな話題になっています。

個人情報 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のWebサイトより
個人情報 CCCの発表文

 この点に関しては、ねとらぼがCCCから「弊社としては犯罪者が捕まることでよりよい社会に貢献できるのではないかという思いがあり、捜査に協力してきた」というコメントを得ています。

 そしてこの問題は、Tカードに限ることではありません。同様の共通ポイントシステムであるPonta、dポイント、楽天ポイント、さらには交通系カードであるSuicaに関しても、「捜査関係事項照会書」などを基に要請があれば情報を提供しているとコメントしています。

 当初は何かと話題になりがちなTカードだけが注目されていたように感じましたが、ほとんどの共通ポイントカードで似たような動きがあるようです。ただ、“社会貢献だ”という表現は大変気になりました。

 多くの方が共通ポイントカードを持っていますし、交通系ICカードはむしろ持っていない人の方が少ないでしょう。この問題は私たち全員の身に降りかかる、一人一人が考えなくてはならないものです。あなたは、自分の情報が扱われる範囲について、どこまでなら許せるでしょうか。

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