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サイバーエージェント、営業利益を100億円下方修正 コスト増大で「計画に狂いが生じた」

» 2019年01月30日 19時40分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 「17年ぶりに下方修正した」――サイバーエージェントの藤田晋社長は1月30日、同社の決算説明会で、2019年度(18年10月〜19年9月)の営業利益見通しを300億円から200億円に下方修正すると発表した。「売り上げ規模の拡大を上回るペースでコストがかさみ、計画に狂いが生じた」(藤田社長)。収益構造を見直し、立て直しを図る。

photo 決算説明会の様子
photo 300億円から200億円に修正

 藤田社長によれば、コスト膨張に気付いたのは2018年7月。継続的に進めていたAbemaTVへの投資だけでなく、広告事業やゲーム事業でも人材採用や広告宣伝などを積極的に行った結果、コストが増大していた。しかし、18年春頃までは売り上げがコストを上回っており、9月にリリースしたスマートフォンゲーム「ドラガリアロスト」の出だしも好調だったため、すぐにはコスト削減に踏み切らなかった。

photo ゲーム事業の売り上げ

 しかし、ドラガリアロストの売り上げが想定よりも伸びず、11月に全社的なコスト削減を決定。新規の人材採用の停止や広告宣伝費の削減を進めたが、対応しきれず、今回下方修正を決めた。

photo 修正に至った経緯

 今後、広告事業では新規広告主の開拓に注力する。ゲーム事業では、主力となっている既存タイトルの周年イベントと、新規タイトルのリリースで回復を見込むという。

 AbemaTVは、番組制作費を見直してコスト削減を進める他、コンテンツや機能の拡充で有料会員獲得を目指す。オリジナル番組のDVD化や、出演者に“投げ銭”などが行えるギフティング機能の実装なども検討するとした。「AbemaTVの黒字化を急ぐことはないが、マイナス幅は減らしていきたいと思っている」(藤田社長)

photo AbemaTVの有料会員の推移(17年12月〜18年12月)
photo AbemaTVの今後の施策

 サイバーエージェントは同日、2018年10〜12月期の連結決算を発表。売上高は1108億円(前年同期比13.2%増)、営業利益は53億円(同%35.2減)と増収減益だった。

photo 2018年10〜12月期の決算

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