渋谷: タイミングのズレに関してはそのときの状況によるので、教科書的なものはないんです。利下げのスピードがどれくらいなのか、幅がどのくらいなのか、どの水準からかとあるので明確にはいえません。
イメージしてほしいのは、熱いお風呂です。入る気満々で浴槽に手を入れるめちゃくちゃ熱い。でも、疲れたからすぐに入りたい。こんなとき水を入れて冷やしますよね。一気にバーっと水を入れたらぬるくなりすぎているという経験はありますね。入ってみたらぬるい。効果が後から分かるんです。金利の引き下げもそうで、その時は効果が見えないからと勢いよくやっていくとぬるくなりすぎていることがあるんです。ちょっと効果が遅れてきます。
金融政策に先行して狙いどおり資産が動くことはありません。金融政策を受けてちょっと遅れて効果を得るものが徐々に上がってくる。金利が下がるときに株と不動産は遅れて上がります。明らかに見えた時は先行することもありますが、タイミングは分かりません。
ボーナスが出るような景気がいいときには、11月くらいからカード払いで物を先行して買う人がいるように、金利の動きが明らかなときは市場は先行して動きますが、不透明なときは金利が動いてから株なども追随して動きます。
ファイナンシャルアカデミー取締役。中上級者向け講座では教壇にも立つ。大学卒業後、邦銀勤務を経て、慶應義塾大学大学院 経営管理研究科(MBA)を修了。その後、米系、仏系銀行のプライベートバンク部門にて、富裕層の資産運用業務に13年間従事。2008年の世界的金融危機を体験し中立的な金融アドバイスの必要性を痛感し、独立系投資顧問会社代表に就任した後、さらに幅広い層に金融経済教育を広めるためファイナンシャルアカデミーに参画。現在は投資信託スクールでの講師のほか、Jリーグの選手への講演等も行う。ファイナンシャルアカデミー
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