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「新たな収益の柱に」 ヤフー、ビッグデータ分析のノウハウを企業向けに販売へ(2/2 ページ)

» 2019年02月13日 19時13分 公開
[片渕陽平ITmedia]
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 例えば、セブン&アイ・ホールディングスは、ヤフーが提供する「新婚(と推測される)家庭の検索結果トップ20」を分析し、料理のメニューありきではなく「キャベツ レシピ」「じゃがいも レシピ」などの検索が上位に入っていることに注目。「買い過ぎた食材をどのように処理するか」というニーズがあるとし、「キャベツのためのミールキット」など“時短サービス”を提供するなど、新サービスの創出につながると考えている。

 また、ユー・エス・ジェイとの実証実験では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに来園する人の興味関心の移り変わりを分析。来園の約3カ月前から興味を持ち始め、チケットやホテルを手配する前にアトラクションなどへの関心が高まることや、競合の遊園地と比べると“下準備”の期間が短いこと、レンタルのベビーカー、アトラクションの年齢制限、足元の防寒対策などへの関心が高いこと――などが分かったという。

 ビッグデータ分析はさまざまな業界で進んでいる。例えば、特定エリア内の人の流れを分析するサービスなどは、大手通信キャリアも手掛けているが、川邊社長は「われわれのサービスは(それだけでなく)検索データ、購買データなどとも掛け合わせ、付加価値を生む」と強調する。

 事業化に当たり、データサイエンティストを中心に人員の強化も図る。将来は、ヤフー傘下の決済サービス「PayPay」など、オフラインのサービスから収集したデータも活用したい考えだ。「データの多様性をてこに、今まで人類が作れなかった価値を作っていきたい」(川邊社長)

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