まずはこの動画を見てほしい。手持ちカメラでスノーボーダーを撮影した動画かとおもいきや、途中でスキーヤー(私)の後ろにカメラが移動して三人称視点に切り替わる。平成も残りわずかのタイミングで、とんでもないカメラに出会ってしまった。
冬シーズンの到来で、スキーやスノーボードといったウインタースポーツを楽しんでいる人も多いことだろう。私もスキー場によく足を運ぶが、ゲレンデを滑るのはもちろんのこと、友人らの滑走シーンを写真や動画に収めるのも楽しいものだ。
2010年頃はミラーレス一眼を首からぶら下げて滑るスタイルだったが、今は小型で高性能なアクションカメラが充実。むしろスマートフォンでも事足りてしまう機会が増え、カメラ装備はすっかり身軽なものになった。
とはいえ10年近くも似たようなことを続けていると、さすがに飽きてくる。カメラの性能や友人スノーボーダーの技量は年々向上しているのだが、撮れるのは似たような構図ばかり。最近は3軸スタビライザー付き4Kカメラ「DJI Osmo Pocket」にときめいていたが、雪山でカメラを持つモチベーションは年々薄れていた。
しかし、冒頭で紹介したような動画が素人でも簡単に撮れる全天球カメラ(360度カメラ)「Insta360 ONE X」に出会ってから、撮影のモチベーションが再燃している。
Insta360 ONE Xは、本体の前後に魚眼レンズを搭載する全天球カメラだ。2018年10月に発売し、シリーズで第2世代目となる。視点をグリグリ動かせる動画や写真を撮れるのはもちろんだが、それだけにとどまらないのがInsta360 ONEシリーズの売りだ。
荻窪圭さんのレビュー記事でも触れている通り、まさに“遊ぶための全天球カメラ”としてさまざまな使い方ができる。
例えば、あらかじめ360度で動画を撮影しておき、後から視点を自由に動かして通常のフルHD動画として切り出せたり、広角撮影を生かしてブレのほとんど無い動画を作り出したりと、遊びを超えた実用的な使い方もできる。それで出来上がったのが、冒頭で紹介した動画というわけだ。
特筆する優れたポイントが、これらの動画は難しい編集作業やハイスペックなPCを必要としない点だ。Insta360 ONE Xとペアリングした専用アプリ(iOS、Android)上で簡単に作れる。
アプリでInsta360 ONE Xから動画をWi-Fi経由でスマートフォンに転送し、映像を再生しながら視点を向けたい方向や、追従させたい被写体をポチポチと選んでいく。映像を再生しながらスマートフォンを動かして直感的に視点を選択していくモードもある。1シーンをスクリーンショットとして切り出したり、アスペクト比を縦長から16:9などに変更したり、トリミングといった作業も自在だ。
今回はiOSで使っているが、Insta360 ONE Xとの接続もスムーズでアプリの完成度はなかなか高い。PC向けの専用アプリもリリースされているが、使い勝手はあまりよくないのでこちらはおすすめしない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR